あなたに届かない
僕は人と会話することが苦手だ。 相手にどう思われているのか気にして、神経質になってしまう。 人付き合いは普通で、男子校で出来た友人も一応いる。 友人は彼女の話を聞いてもらいたいようで、話は聞くが、自分も欲しいとは 思わないのだ。 本を読むのが好きで、家の近くの図書館には長年通いつめている。 小説から絵本、雑誌まで広く深く好きだ。 その日は予約した本を取りに来たついでに、雑誌を読んでいた。 肩を叩かれた気がしたので、後ろを向くと年が同じくらいの男子が立っていた。 手には手帳を持っていて、こう書かれていた。 “ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?” もしかしてと思い、座れるスペースを指差して 『あっちで話しませんか?』 彼は黙って指差した方に歩いていった。 座ると、手帳に何かを書き始めた。 “とても急なお願いなんですけど、2ヶ月間友達になってくれませんか?” ペンを渡されたので、こう書いた。 “いいですよ。でもなぜ?” “僕は耳が聞こえません。友達はいますが、連絡は取っていないので 寂しいです。あなたなら文字越しで話せそうです。“ ”そっか、名前はなんていうの?タメ口にしない?“ ”聡 (さとる)“ ”いい名前。僕は亮太“ ”よろしくね。“ 彼はニコッと笑ってくれた。 それから、土日は図書館で聡と一緒に過ごすようになった。 手話ができないので、紙に書いて会話した。 勉強も見てあげるようになった。 ”亮くんすごい勉強出来るね。俺バカだからありがとう。“ ”バカって言っちゃダメ!聡はかっこいいからいいの。“ ”恥ずかしい。“ 照れた顔を両手で隠す仕草がかわいいらしい。 “そういえば亮くんって何歳なの?” “17だよ” “俺は16だから、先輩だね” “聡って16なの!?てっきり同い年かと” “バカにしてるでしょ” 2人でクスクス笑った。 図書館の外には広場があって、誰でも利用出来る。 ベンチに座って話すことも多かった。 ”連絡先交換しない?“ ”親にダメって言われてるんだけど、特別にね“ ”なんかごめんね。聡、親御さんにバレない?“ ”大丈夫 バレないように頑張るから。“ ”でも、不安だから 僕の電話番号だけ教えるね 繋ぎたくなったら、かけてね” 僕のスマホが震えた。隣を見ると、聡がスマホを耳に当てて ”出て“と口パクしていた。 自分もスマホを耳に当てて 『意味ないじゃん…』と言った。 彼はイタズラな笑みを浮かべているので 本当は聞こえてるんじゃないかと思った。 初めて会って日から2ヶ月が経とうとしていた。 “亮くん今日でお別れだね” “薄々気づいていたけど、引っ越すの?“ ”そう、お見通しか“ ”寂しけど、頑張ってね。勉強“ ”勉強なの!?冷たいなぁ そうだ、俺14で完全に聞こえなくなったんだ。 それまではギリギリ聞こえたし、話せてた。” 聡を見ると、顔が歪んでいる。 初めて、聡の声を聞いた。 「亮太のっ、声聞きたかった もっと、早く会えたっ、ら 良かったのにっ」 『っ聡、ごめんね。願い叶えられなくて、 もっと早く見つけてあげればよかった 今お願いしてもさ、無駄なのは分かってるっ でも、でもっ、もっと一緒にっいたい…』 涙で霞んだ目で見上げると、彼は 首を傾げて泣いていた。 ー終わりにー こんにちは。新です。 読んでいただき、ありがとうございます。 今回初めて投稿させてもらいました。 最後の描写には意味がありますので、 是非考えてみてください。 感想お待ちしてます!
みんなの答え
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切ないけどいい話!
はじめまして、#ふぅ。です! 『ふぅちゃん』って呼んでくれると嬉しいです! 二人が仲良くなっているシーンがめっちゃ好きです! こっちまで笑顔になれる作品ですね!
すごい!
素敵だよ!初めてとは思えないよ! 才能、すごく発揮しているよ! また今度も書いて欲しいな! じゃあ! いもりょよー!