涙の雨は
「ずっと……雨宮君の事が、好きでした」 体育館の裏。 曇りで、シンとした放課後。 ドクドクと、鼓動が早まる音だけが響く。 三年間の片思い。 「ごめん、美雨」 困った様に頭の後ろを掻く仕草は、戸惑った時に彼がよく使う。 やっぱりか。 こんな恋、叶うはずないもんね。 でもちょっと、期待してた。 雨宮君は、クラスの人気者。 普通の女の子の私とは、遠い存在だと思ってた。 けど、雨宮君は皆平等に接してくれた。 一年生の二学期、雨宮君と同じクラスになって、席が隣だった。 話も合うし、優しくて明るい彼に惹かれていった。 そして、三年生。 また雨宮くんと同じクラスになれて、結構話す。 「美雨」 と、 下の名前で呼んでくれた。 嬉しかった。 自分の名前の響きが、恋しくなった。 仲良くなっちゃって、誰よりも優しいって事に気づいて。 もっともっと、言葉に言い表せれないくらい、雨宮くんの事が好きになっちゃったんだよ。 雨宮くんの、誰にでも優しくて、笑顔が素敵な所が好き。真直ぐ前を見つめている、眩しい瞳が好き。少し日焼けした、活発そうな小麦色の肌が好き。綺麗で男の子って感じの、指が好き。サラサラの黒髪が好き。 こんな私にも、優しくしてくれた、雨宮くんが好き。 大好き。 見てるだけで笑顔になれる、優しくて明るい笑顔を、私だけのものにしたいだなんて、欲張りすぎだよね。 分かってるよ。 でもさぁ……。 好きな人の一番になりたいと思うのは、当たり前じゃん……。 「でも、美雨の気持ちは嬉しいよ。俺は、美雨と友達として仲良くしたい」 「うん……私も。」 嘘だよ。 貴方の特別になりたい。 友達以上になりたいよ。 そんな時、空からポタポタと雨が降り始めた。 「雨だ」 「俺、織り畳み傘持ってきたんだ」 雨宮くんが鞄から傘を取り出し、にっと笑った。 良かったと思う反面、少し残念な気持ちもあって。 曖昧に笑うしかなかった。 「でも一つしかねぇな……」 「いいよ、雨宮くん、帰って!」 「いや、それは駄目だ。一緒に帰ろう」 だって。それって。 相合傘って事でしょ。 告白して振られた後に相合傘だなんて。 虚しすぎるよ。 でも、やっぱり好きだなぁ。 私は、雨宮君から離れた。 「美雨?」 「雨宮君、大好き………」 唇を噛んで、笑った。 雨で濡れた顏には、涙なんて流れてない。
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
私の感想は、、、
こんにちは!愛奈です!よろしくお願いします! まず、振られたら気まずくなると思うんですよ! 気まずくても相合傘ができる雨宮君の優しさに感激しました! 2人は前よりも仲良くなった気がします! 短文失礼しました!さようなら!