ヒーローになりたい。
僕はヒーローになりたい。 僕の名前は畑中蒼空。(はたなか そら) もう小学5年生なのに、子どもっぽい夢って思うでしょ。 でも、なりたいんだよなー。 ヒーローというよりはみんなを守れる人になりたい。 あっ、家着いた。 「おっかえりー!」 「ただいまー手、洗ってねー」 僕はお母さんと2人暮らし。 たまにおばあちゃんが来るけど、基本は2人。 お父さんは僕が5歳の時、僕の目の前で亡くなった。 ある日、僕とお父さんが公園に出かけた。 新しく買ってもらった縄跳びとボールで遊ぶために。 いつも忙しいお父さんだけど、お休みをとって遊んでくれた。 すごく楽しかったなぁ。 でも途中で雨が降り出して、帰る事になったんだ。 僕はイヤがってお父さんと家でいっぱい遊ぶことを条件に帰ることにしたんだ。 なにげない会話をしているとき、 キキーッ 僕の目の前に車が現れた。 そのとき、お父さんが僕をかばった。 お父さんが居なかったら、僕は車にひかれていたと思う。 僕は、何が起こったのかわからなかった。 目の前には、体に赤い液体が着いたお父さん、いろいろなところが凹んだ車、雨の中出てきて警察や救急車を呼ぶ人。 そのあと、病院に行った。 お父さんは、亡くなったことを聞いた。 ショックでなにも言えなかった。 泣くことしかできなかった。 僕のせいで亡くなっちゃったんだ。お父さんは。 僕が代わりに、代わりに・・・・・・! 僕は悔やんだ。もう少し帰るのが遅かったら、雨が降らずに遊んでいたら、そもそも公園に行かなかったら・・・・・! ってね。 こういうことがあったの。 だから、僕はみんなを守れるヒーローになりたい。 みんなの気持ちが分かって、みんなを幸せにできるヒーローになりたい。 お父さんが天国から見て「すごいなぁ、蒼空は」って言ってもらいたい。 僕はがんばる。がんばれる! ──15年後── 「どうしたの?大丈夫?」 「ううっ、ヒック、ま、ままぁ・・・どこぉ・・・ままぁ、どっかいっちゃったぁ・・・ヒックうえ~ん!」 見た感じ、迷子かな。 「よし、お兄さんに着いてきて!だっこする?」 「する」 「よし!」 僕は、警察、おまわりさんになった。 この町の安全を守れるように、みんなの笑顔を守れるように、 畑中蒼空はがんばります! ──終わり── 読んでくれてありがと!