したっけ帰るべ
北海道のとある夜の歩道、俺は義弟の類と共に家に向かった。 「暗いね、相葉さん。」 類がそう言った。俺の家に来てから数年が経ったが義弟のため、未ださん呼びされる。 「そうだな、足元には気をつけろ。」 俺は類に注意して、前に進んだ。しばらく歩いていると、後ろからドンっと押されたと思った瞬間、鈍いブレーキ音が響いた。 後ろを振り向くと、車が歩道に突っ込んできて、類が下敷きになっている風景が目に飛び込んできた。ブレーキ音に驚いた住民が次々と家から飛び出し、騒いだ。 俺は、非現実的な状況を目にし、徐々に意識が遠のいていった…。 ・ ・ ・ 「はっ!」 俺は勢いよく起き上がる。ここは、病院?誰かが呼んでくれたのか。そう思った瞬間、カーテンが勢いよく開いた。 「良かった、無事で!」 そう言ったのは母さんだった。 「あぁ、本当に良かった。3週間も目を覚さなかったら…」 「え?俺3週間も目覚めなかったの?」 「えぇ、だからすごい心配した。」 そうか、心配させてしまったのか。 「あ、そうだ!類は!?」 「あ、えっと、類は…」 俺が類のことを言うと、母さんは途端に暗い顔をした。 「類君は、亡くなっちゃったの。」 俺はその言葉を聞いて絶望した。類が、亡くなった?頬に生暖かい水滴を感じた。母さんはそんな俺を優しく抱きしめてくれた。 「ごめん。私が迎えに行っていればこんな事にならなかったのに。」 「違う、違う…」 母さんのせいじゃない。俺が、俺のせいで…。ごめん、ごめんな、類。 数ヶ月後 「相葉君は、本日で退院となります。お大事にしてください。」 看護師さんがそう言うと、母さんは感謝の言葉を言った。 「あ、そうだ」 看護師さんは思い出したようにポケットから日記を出し、俺に差し出した。 「これ読んでみな。」 これはなんだ?俺はこの場で手紙を読んだ。類が毎日書いていた日記だ。学校や部活、家族や友人のことが書かれていた。 あいつ、充実した人生を送っていたんだな。そんなことを思っていると、いつの間にか白紙のページになっていた。 最後に何を書いたのか気になり、必死に書いてあるページを探した。 「あっ…」 俺は、最後に書かれたページを見た瞬間、目を丸くした。俺と水族館に行ったことについて書かれていた。俺は、その内容を読むと涙がこぼれ落ちたり。 「相葉、類君は、貴方の事を実の兄のように慕ってたわよ。」 母さんが、励ますように、そして泣きそうにそう言った。俺は、あいつに兄だとは思われてないと思ってた……でもあいつは、ちゃんと俺のことを兄だと………。俺は、なんて贅沢な奴なんだ。 母さんは、涙が止まらない俺を見て、少ししゃがんで俺の頬に手を当て、涙を拭ってくれた。 そして、母さんは優しい笑顔でこう言った。 「したっけ帰るべ。」
みんなの答え
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北海道の現実
北海道の札幌圏以外の大体は ・夜めっちゃ暗い→出歩いちゃだめ ・近くにあんまり家がない→驚いて住民はこない ・ブレーキ音でぶつかるのは大体人じゃなくて鹿 っていうどうでもいい突っ込みはあるけど、とても良い小説でした。