雨上がり、強く生きる。
雨上がり、強く生きる。 作 星影の青 ………私、星影 葵は、バスに揺られ、「あの場所」へ向かっていた。 「あ。雨…」 バスに乗り始めて十分ほどだろうか。 雨が窓を打ちつけていた。 (やだな、雨。) 私は雨が嫌いだ。 小さい頃に雨のせいでいくつ遠足を潰されただろうか。 雨が降るだけで、気分も下がるし、髪型も崩れる。 だから嫌い。 「最近、彼がライン返してくれなくってさー…」 「えー、まじ!?終わってるじゃん!!」 ……後ろの座席から、甘酸っぱいのかよくわからない恋バナ(?)が聞こえてくる。 そういえば、今から行くあの場所は、あの人と出会った場所だったっけ。 そう、私が向かっているのは、 星影町。 あの人と出会った日も、雨だった。 その日は運悪く、傘を持ってなくて、困り果ててた。 でも、あの人は傘を差し出してくれた。 とても心強かったのを覚えている。 「あー、次は~星影町~、星影町~」 私はボタンを押した。 すごくドキドキした。 かつて、星影町で暮らしていたけれど、今は遠く離れたところで一人暮らし。 だから、星影町の街並み、景色が変わっていないか、心配だったのだ。 「あー、普通に降ってる。」 ドキドキしている私をよそに、雨は降り続けていた。 そして、心臓をバクバクさせながら、コンビニでビニール傘を買った。 コンビニを出ようと、出口へ向かうと、途端に「あるもの」に目が釘付けになった。 ………………一枚のポスター。 かんばつで大地がカラカラになっている場所の写真が載せてあった。 いつか、雨が嫌いな私に、誰かがこう言った気がする。 「雨は、敵にも味方にもなれる。」 「恵みの雨ともいうのよ。」 かったばかりのビニール傘をさして、町をじっくりと眺めながら、歩いていた。 そして、見つけた。 小学生くらいの女の子だろうか。 うずくまっている。 雨の、せいかもしれない。 「大丈夫?」 小声で、そっと聞いてみる。 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………… 返事はない。 ただ雨がザーザー、ポツポツと降っているだけだった。 でも、できることはある。 傘を、そっと女の子に被せるようにしておいた。 「じゃ、バイバイ。」 ほんの少しの時間だった。三分もしていないと思う。 いつかあの人が言ってくれたっけ。 「葵の、そういうささやかな優しさ、好きだな。」 END 最後まで読んでくださってありがとうございました! 話に出てくる 星影町 は実際には存在していません。 「人は強い。雨上がりでも、強く生きられる。」
みんなの答え
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綺麗。。。!
文章が美しすぎる。。。!それにいい話だし、主さん神すぎん?? いつか小説だしてよー!出してくれたら即決で買うわ。