好きの結末
「兼斗、付き合って」 それは、今から四年前の告白だった。 兼斗──七道兼斗は、百崎愛矢に告白されていた。 愛矢は学校でも1,2を争う美少女だった。しかも勉強もできて運動もできる。生徒会にも入っている天才だ。 兼斗は気遣いができて、優しく裏モテ男子だ。 そんな二人は、度々お似合い、と言われていた。ふたりとも悪い気はしなかった。 だってふたりとも、お互いに気があったのだ。愛矢が兼斗を好きなのは一部の女子だけは知っていた。 兼斗を好きであることを知っているのは、咲結、浬歌、那実の三人だ。 後押しされて告白することになった愛矢は、兼斗にちゃんと思いを伝えた。 「ごめん愛矢。愛矢とは付き合えない」 愛矢はその場に崩れ落ちた。すべてが終わったんだ。 「でも愛矢のことは好きだよ」 「じゃあなんで付き合えないの?」 「千恵美に言われてるんだ。付き合おうって」 千恵美とは、木暮千恵美のことだ。彼女は愛矢と1,2を争う美少女である。 「じゃあなんで!?私が好きなら断ればいいじゃない!!」 「それはできないよ。断ったら僕が悪者になっちゃうだろ?」 その言葉に愛矢は静止した。 「千恵美のこと断ったら悪者になっちゃうじゃん。」 愛矢は中学時代の親友・菜歩に聞いたことがある。 ──優しい人は浮気しちゃうんだよ。告白断れないからさ もう三年前のことだ。 兼斗もそういう人だったんだな。 「愛矢にもそんな時期があったんだねぇ」 大学の友人・桧山音寧にそう言われる。 「ま、今は景と結婚を前提にお付き合いしてるけどねぇ?」 もう自分も22歳だ。今は音寧の二つ上の兄・桧山景と交際中だ。 そして自分と、音寧に言った。 「優しさより愛してくれる人が一番だよ」