影で光は照らせなくても。
「頑張ったね。えらいえらい。」 そう言って、私は 友達の頭を撫でた。 こうするとみんな喜んで、 いい気分になってくれる。 私もそれで喜べたし、 誰かのために笑うことで、 嬉しい気持ちになれた。 だけど最近、 笑顔が重くなってきた。 積み重なった小さなことが、 私の口の両端にぶら下がっているみたい。 心の底から 笑えていたのに、 今となっては人のためだけしか 笑えないようになってきた。 だけど、笑わなくちゃ。 それだけが私の取り柄なんだから。 助けて、なんて言えるはずがなかった。 「光(ひかり)ちゃん、 最近元気なくない?大丈夫?」 学校で心配される ことが多くなった。 ちゃんと笑えてなかったのかな。 「私は大丈夫。大丈夫、だよ。」 いつも自分に言い聞かせるように、 みんなにそう言っていた。 今日も笑い続ける。 「大丈夫、私は大丈夫だから。」 笑わなくなったら、楽になれるんだろうか。 そんなことを考えて、 気づいたら屋上に立っていた。 腕につけた傷が 私に話しかけるように、 私の頭の中では聞きたくもない声が 溢れていた。 “人を幸せにできない私に価値なんてない” 知ってるよ。 人を元気にできない私はいらないんだね。 私がフェンスをまたぎかけた時。 「待って!」 誰かが私の手を引いた。 振り向いてみると、 私の後ろにはクラスメイトの みんなと、先生たちがいた。 そして、みんな私に飛びかかった。 「今までよく頑張ったね。えらいえらい。」 「気づけなくてごめんな。」 「私、光ちゃんのおかげで生きようと思えた。 だから私が光ちゃんを救えなくても、 いつまでもついていくよ。」 突然のことに混乱していたけど、 自然と、涙が溢れてきた。 人に「頑張ったね」って言われることが こんなにあったかいなんて、 今までの私じゃ知らなかった。 私は自分の光で前を 照らしてばっかりで、 自分の後ろの影が どれだけ広がっているか、 全然分かっていなかったんだ。 だから、これからはちゃんと後ろ とも向き合おうと思う。 私の後ろには、 いつでも私を支えて、 笑顔にさせてくれる 友達がいるんだから。 影で光は照らせなくても。 【end】
みんなの答え
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すごすぎ!
どうも なぎです ほんとに同い年なん? なぎも小説書いてるけど、こんなには無理! もしかして、将来の夢、小説家だったりする? もしそうなら、今からでもなれると思うよ! 少し恥ずかしいけど、 珊瑚礁がらすさんの小説好きすぎて 「さがす」のところでペンネームで調べて読んでた これからも頑張ってください!