死の幻想 Ncrofantasia
平令32年 秋。私はいつものように、授業を無視して鉛筆を転がしていた。 たまに先生の話が耳に入る。「今から50年前、令和8年、~が~をし、、、」 今の元号は平令。50年前からすると、近未来というやつだ。訳あって、その五十年前から今年までの記録は、 何も残っていない。というか、今の人間は、自分から過去を学ぼうとはしない風潮にある。 そう考えていたら、いつの間にか授業は終わっていた。 私は、席を立ってあるき出した。ただただ廊下を歩いた。 何かがふと目に止まった。窓ガラス越しの夕日だ。 紅に染まった天井を見つめ、ふとつぶやいた。「ネクロファンタジア。」 周りが渦を巻き始める。そう、これが私の世界。私の「死の幻想」だ。 気づけば、和風建築の街に立っていた。そこはもう、常世ではない。 私の幻想だ。妖怪、幽霊、仏陀、、、空想の産物と思われた三者も、ここでは当たり前に生活している。 夢のような世界だが、これも現(うつつ)。夢と幻想は違うのである。 私は、昔、周りからいじめられていた。その時頭の奥深くにできたのが、この世界である。 そして周りは、元の廊下に戻っていた。 平令33年 冬(エピローグ) 私は、なぜかあの世界を終わらせてもいいと思った。終わらせなければいけないような気がした。 そして、あの世界を小さな天球儀に閉じ込めた。 それから三年後 このとき運命が動いた。「ねえねえ、この天球儀、不思議じゃない?」 こうして、私の世界は、次の世代に、、、