あなたのとなりに
あなたのとなりに 私の名前は桐山晴(きりやま はる)。今、恋の真っ最中。でも私に恋なんてできない。いや、できるわけがない。 「あ、晴。おはよう。宿題やってきた?」 幼馴染の快斗(かいと)が話しかけてきた。やっぱり、快斗を見ると胸がときめいちゃう。そう、私の好きな人は快斗なの。やっぱり、この気持ちは止められない。でも、私なんかが告白しても、快斗は困るだけ。それに…フラれるに決まってる。 ある日の帰り道。今日は快斗は委員会なんだって。さみしいな。親友の薫(かおる)と一緒に帰ろうかな。 「薫!一緒に帰ろ」 「いーよー!」 二人で帰る帰り道。何を話そう?いつもは快斗がいるんんだけどな。ちょっとさみしい… ピロン あ、快斗から私にメールだ。 『今日は一緒に帰れなくてごめん。薫と一緒に帰ってね。』 ふふ、快斗ったら。そんなに心配しなくてもいいのに。メールを返そうとしたら薫が話しかけてきた。 「ね、晴。今のメールもしかして快斗から?」 「う、うん」 「やっぱり。めっちゃ笑顔になってたよ。てかさ、晴って快斗のこと、好き?」 私、笑顔になってた!?それよりバレてたの!? 「嘘!?実は快斗のこと、好き。でも、私なんか―」 フラれるに決まってる 「あーね。フラれるって思ってるんだ。でもいいじゃない。区切りをつける時が来たんだよ。モヤモヤするでしょ?しかも振られても私が元の立場に戻してあげる!協力するよ!」 「そ、そうかなぁ」 「そうだよ!愛っていろんなカタチがあるんだね」 その後は薫と恋愛相談しながら帰った。 ピロン 『晴、もう帰った?久しぶりに一緒に遊ばない?日曜日に山上公園で10時から。行けそう?』 あ、快斗からのメール。そう言えばさっき返すの忘れてた。 『いいね!私は日曜いけるよ』 『じゃあ、決定だね!楽しみだな』 「おはよ。何して遊ぶ?」 祝日の日。快晴の日曜日。人気のない公園で快斗と二人きり。どうしよう…緊張するー それからはずっと遊んでいた。快斗と遊ぶと時間もあっという間に過ぎてゆく。 カァカァカァ 今は小さな山の上にいる。昔、ここでよく遊んだな 「昔ここでよく遊んだよね」 「そうだね。虫取りしたり、草スキーしたり…」 いよいよ、区切りをつける時が来たんだ。 「あのね、私、快斗のこと、好きです。フラれるのも、わかってるけど、スッキリさせたいんだ」 「ごめん。晴とはずっと幼馴染の親友でいたいな」 「そう、だよね。ごめん。じゃあ今までどうりでお願い」 「うん。それにしても困ったな。男子にコクられちゃった。」 苦笑いする快斗。夕日に当たった顔は今までにない、深い悲しみを表していた。 解説 晴は男子でした。名前も晴ちゃんとも晴くん、どちらもしっくり来ます。だから快斗にフラれると思っていたのです。薫の「愛っていろんなカタチがあるんだね」は男子が男子を好きになることってあるんだね。という意味でした。ちなみに晴が呼ばれるときはさんか呼び捨てです。女子と決めつけないでくださいね。