短編小説みんなの答え:0

君との日々を代償に。

コロンと音がして、1つ、また1つと私の目から星の欠片が溢れ落ちる。 「あぁ、またか」 誰も居ない部屋で呟く。 私の視界には、"おそらく"水色である星の欠片達が映る。 「もう、色もまともに分からないよ…」 私は君に、そう話しかける。 勿論返事はない。 「君との出会い方が違ったら、こんな事にならなかったのかなぁ…?」 誰に問いかけているのか、自分でも分からない。 きっと私は、歌い手である君の、歌声に問いかけている。 『ずっと前から、君だけが好きだったよ』 そんな綺麗事を自分の中で並べて続けて、その度に思いが伝わらない虚しさに襲われる。 今までの私の思いは何だったんだろう。 初めは、普通の推し活だったのを覚えてる。 君との日々を重ねていく度に、思い出が増えて、思いが強くなって。 「叶わない恋までして」 君に会える日を待ち侘びて、報われない努力をして。 「…全部、自業自得だ」 剥がれ落ちていく君との思い出を抱えて、自分の中に残っている君との日々を思い出す。 「また、会えるなら」 君との記憶が無くなるのは怖い。 でも、だからこそ。 「今度こそ、叶う恋をしても…良いですか?」 この世界に神様がいるのなら。 君との日々を代償に、この願いを叶えてよ。

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