短編小説みんなの答え:0

笑わない俺に笑顔を向けた君は、とても優しくて素敵な子

中学1年の夏。俺は、ある子とトラブルがあった。その出来事は、『事件』と言われるようになった。  教室の中では、『事件』の話題で持ちきり状態。 「死ね」「消えろ」「キモい」「障害者」「ブリッ子」など、クラスメイトに暴言を吐かれる日々。      こんな毎日を送っている俺は、いつしか「自分が全部自分が悪いんだ」と自分に言い聞かせるようになっていた。 中学2年。教室が変わっても、何も変わらなかった。自分以外は、、、、 クラスメイトから向けられる沢山の言葉に耐えることが出来なくなり、 俺は「本当の笑顔」を失った。 中学3年の卒業式前日。 この日、学校の下校中、後ろから名前を呼ばれた。 振り向くと、クラスメイトの子だった。 その子が手に持っていたのは、俺の筆箱。 「これ、忘れてたよ。」 渡された筆箱は、その子の手汗で濡れていた。 嬉しくて、思わず涙が溢れてしまった。 お礼を言いたくて、前を向くと、誰もいなかった。 卒業式当日。 その子に、緊張した顔で「昨日はありがとう」と伝えると、 「海来さんが中1の時、私が移動教室に筆箱忘れたの覚えてる? その時、私の筆箱を家まで届けてくれたでしょ?そのお返しだよ。」 と当たり前のように言われ、俺は拍子抜けして、笑った。

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