雲居の空
冬に見たあの雲居の空。それは瞬く間、間近に迫っていた。 あれは一月。冬季真っ只中の時期であった。 「おいおい待てよ~!!ってさ~ww」「wwww」 いつも通りの会話。いつも通りの風景。でも裏では急に途切れていた。 そこから全て崩れ去るなんて眼中になかった。 学校の教室では、完璧と言っていいほどのピラミッド型の構図が出来上がっていた。一歩踏み間違えると弱者と化す。そんな社会の縮図が完成しつくされていたのである。そんなある日のことであった。 「やあやあ~。」いつも通り一声掛ける。返答はない。 「あのさ~」もう一声。返答はない。 「えっとさ~」もう一声。相手は集団なのに。ひとつも返答が聞こえない。 最初の内は気まぐれだろうと自分を慰めていた。しかしそれが3日4日5日...1週間と重なっていったのである。 「俺くんと一緒になろうぜ~」 「いやさ~...あいつきもいからやめようぜ」 友達の会話だ。全て聞こえていた。 自分は察していた。 あの日から1週間ほど。時刻は12時を回ったところ。 「そうだ、まだ家にいるんだった。」 一人涙を流す。地に涙を零す。動けず地にひれ伏す。 「っっっ...」 カーテン越しに指した光。空を見上げた。 見えた雲居の空。それはまさに近く、天に行けるように思えた。 一瞬悶えた。あの笑顔、明るさの記憶。全て過った。 天に行こうと思ってた。それはこんな形で途絶えた。ある意味良かったのだろう。 今この小説を書いているのも。あの明るさのお陰。 あの雲居の空は今思うとほど遠きものだったのだろう。