もしだれ世界線【初恋の君は】
もしかしたら誰かに伝わるかもしれない世界線。 【初恋の君は】 「ね、雨が降ってきたよ。」 楽しそうに君が笑う。 「どうして君は楽しそうなの?」 「…それは、雨はさ、隠してくれるじゃん。全部を。」 傘もささずに君は前を歩く。 「例えば、泣きたい時、泣いちゃった時、ずぶ濡れになればバレないじゃん?」 「…でも、君は雨が嫌いだろ?」 君はこちらを振り返り、にこりと笑う。 「君のせいだよ。」 「どう言うこと?」 「だって君も一緒にいると楽しいんだもん。君と一緒にいると、まだここにいたいって思っちゃうだもん。」 君は僕の手を握る。 君の濡れた髪が揺れて僕の顔にかかる。 「はやく、私のことなんか忘れて、楽しく生きなよ。」 君はふわりと微笑んで僕に背を向ける。 「ほら、はやく前に進んで。」 僕は泣いた。 すると君は背を向けたまま言った。 「…ね、雨は隠してくれるでしょ?」 僕はずぶ濡れのまま君に言った。 「ほんとだ。これならわかんない。」 君はもう一度だけ振り返ると、 「じゃあね。」 とだけ言った。 「うん、じゃあね。」 6年前に死んだ僕の初恋に別れを告げた。
みんなの答え
辛口の答え
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おおお
あんずでふ!! ー 最初タイトルに初恋の君はって書いてあったからてっきり恋愛小説なのかと思いました! でも想像を上回る結末で、切ない要素も含まれているのがとてもいいです!! ありがとうございます!!(? ー
『僕』のその後が気になりますね!
こんにちは。 Uwaです! ーーーーーー とても素晴らしい作品ですね。 前を向いた『僕』のその後が気になります! では。
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