世界
…人間は、嫌い。結局、自分のことしか考えられないから。… わたし、未来。突然だけど、私の名前には、「明るい未来」と言う意味が詰められている。私は、幼稚園の年長まで、未来を明るくしたい、政治家になろうなんて思っていた。だけど、私はもうそんな夢は見ない。 世間がしっかり見えてきてしまったから - ある、よく晴れた春の日だった。1人の男子が、私に、「おまえ、そんな顔して。人生が台無しだろ」と言われた。私はすかさず、「あんた誰よ」と聞き返した。そうすると、男子が「忘れたのかよ」と目を大きくして聞き返した。その瞬間、私は頭が殴られたように朦朧と記憶の沼にハマっていった。 幼稚園の時、この子と友達だった。でも、ある時、その子の弟がジャングルジムから落ちそうになった。すかさず私が助けたら、一緒に落ちて、大怪我をしてしまって。だから彼は、私の前から姿を消してしまったんだった 私は、何年もたったような気がして、世界を見た。そして男子、りおとに向かって微笑んで言った。「世界はこんなに広いんだね」何で、このときそう思ったのかはわからない。でも、りおとの笑顔を見て、言ってよかった、と思った。忘れもしない春の日だった。