本当の愛とは。
私は1つだけ未来を知っている。 そして私は、目の前のクラス替えの表を見て驚いた。 それは2月の末、たしか英語の授業中だった。 すんごく眠くて、「やあ、大丈夫かい?」と言われたときは先生に注意されたかと思った。 世界が真っ暗だった。 「聞いてるかい?君は山内アヤカ、そうだね?君はとても運がいい。」 とても身長の高そうな、若い紳士が見える。この真っ暗な視界の中にとてもよく似合う。 「センパイ、ちょーてきとうに選びましたからねーホント運がいいですよー!」 いつの間にかいた、幼い顔立ちの金髪の少女が無邪気にいう。 そしてその紳士が、唐突に変なことを言い出した。 「今から君に未来を教えよう。」 するとバッと画面が切り替わり、自転車に乗った男女二人が目に入る。 「この女の子は君だ。隣の男の子は金村アサヒという。知ってるだろう?」 金村アサヒは聞いたことがある。クラスは同じになったことがないが、イケメンだそうだ。何なら学年で一番モテるという。 「君は4月に中2になり、この金村アサヒと同じクラスになる。そして意気投合し、付き合うというわけだ。」 「付き合うのは5月。だからそれからだいたい1ヶ月後か。君たちは自転車デートをするんだ。」 イヤな予感しかしない。こういうのはだいたい、私かが事故にあって、、 「いや違う。君じゃない。この金村アサヒが帰りに事故にあうんだ。その後彼は脳死だ。いわゆる植物状態ってやつかな。」 結構重大なことをズバズバ言われ、頭が追いつかない。 「…えっ、じゃあどうすれば金村くんは…!」 「フッやはり第一声はそれか。いいだろう教えてやる。ずばり 君が金村アサヒにあまりかかわらないことだ。ただのクラスメイトとなるだけ。簡単だろう?」 恋人になるか、ただのクラスメイトとなるか、意外に悩ましい。 「あと、付き合ったらアサヒは何があっても、事故にあう。いいか?実行するのは君だ。君がどちらの運命をとっても神は怒らない。あともう少しあるんだから、考えておきなさい。」 画面がまた切り替わり、自転車に乗った私達が、手を振り、別れる。 その直後、大型トレーラーが金村くんに向かって突っ込んでくる。金村くんが車に吸い込まれていくのかのようだった。 そこで急に現実に戻った。英語の授業。私は、あの金村くんの姿が脳に焼きついて離れなかったのを覚えている。 もう一度、目の前のクラス替えの表を見る。私は中2になった。あのことはまだ覚えている。確かに表に金村アサヒという名前がある。 「アヤカ、やったじゃん!あのイケメンのアサヒと同じクラスじゃん!いーなーー」 友達が羨ましそうにするが、私は曖昧な返事しかできない。 「最近さ、アサヒ、モモカと別れたじゃん? あれねー、去年モモカがアサヒと付き合ってるのめっちゃ自慢してたからそれがアサヒイヤだったんだってー まああんなイケメンと付き合ってたら自慢したくなるわw」 横をスッと抜けていく男子がいた。後ろ姿でわかる。金村アサヒだ。これから私がアサヒと関わらなければアサヒは事故にない。私は絶対に関わらないと心に決めて、教室に入った…