【短編小説】手紙
僕が10歳のとき、父と母は離婚した。 楽観的な母に真面目な父は嫌気が指したそうだ。 母は僕を引き取りたがったが、経済的な理由から父と暮らすことになった。 父とは2人で仲良く暮らしていたが、1年前にあっけなく死んだ。会社の人たちと3人で車に乗っていて、飲酒運転の車に撥ねられたらしい。 父の葬式で8年ぶりに母と再会した。 僕を見て泣いて、葬式でも泣いていた。 僕が今高3だと言うと、「母親なんだからそのくらい知ってる」と口を尖らせたが、国立大学を目指していると言うと目を丸くして「頭がいいのね。よかった、父さんに似たのね」と寂しそうに笑った。 僕にずっと会いたかったのだと言われ、申し訳なくなった。それからは何度か会った。 そんな母も癌で38歳の若さで亡くなった。 僕が大学合格を伝え、喜んだ矢先だった。 葬儀の翌日、母が住んでいた家に行った。僕の写真や父からの手紙が数えきれないほどあった。そして決まって手紙の最後には『大好きだ』や『愛してる』の言葉があった。 父は母が嫌になったのではなかったのか。不思議に思ったがすぐに分かった。母から僕に宛てた手紙が出てきたのだ。内容をまとめると、母が僕を産んだのは19歳、父は26歳だった。仲良く暮らしていたが、母が若いというだけであることないこと言いふらされ、母は小学校のクラス会で孤立してしまった。そして自分のせいで僕まで虐められたらいけない、という思いで母は離婚を決意した。 僕が聞いていた離婚理由は、僕が母を嫌うことのないよう父が後付けで考えたものだった。 父も母も決してお互いを嫌ったのではなく、僕のことを1番に想って別れたのだ。 そしてずっとお互いを愛していた…。 2人を想うと涙が止まらなかった。 2人に恥じないように生きよう。そう決意した。 父と母が天国で一緒に幸せに暮らしていることを願いながら。
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すごい!
日向さん!すごいですね! 私、題名が気になったものから見ているんですけど、読んでいて感動しました! まじで泣きました!
切ないけど、いいお話
なんだか切ないけど、お父さんとお母さんがお互いに好きで良かった! きっと天国で周りの目なんて気にせず、楽しく暮らしてる!
心の中に…
お父さんもお母さんも亡くなってしまうなんて…(涙) でも 見えなくても日向さんの心の中に必ずいますよ!悲しまないでください!