綺麗な虹
季節は梅雨。ここ最近、梅雨入りしたばかりだ。 そしてクラスにもだんだん慣れてきたころだった。 私の名前は、相沢椿。本が大好きな中学1年生だ。 ある日、私が教室に入ろうとドアに手をかけた時こんな声が聞こえた。 「相沢さんってなんか、掴みにくいし、苦手。」 「うん確かに。いつも本ばっか読んでて、何が楽しいの?って感じ。」 と、私のことをあざ笑う女子達。 私は、くだらないと思いながらも、傷ついていた。 その時、誰かの視線を感じたのは、気のせいだろう。 その日の学校は、どんより曇のような気持ちで過ごした。 ー放課後ー 私は登下校中、公園に立ち寄った。 私は、ブランコに腰を掛けた。 雨がぽつぽつと降り始めた。 それでいい。 今日の嫌なことをすべて流してくれるなら。 そう思いながら、目を閉じた。 その瞬間、「大丈夫か?」と心配してくれる声がきこえた。 声の主は、同じ図書委員の五十嵐雄二だった。 五十嵐は、優しい目で、私を見ていた。 私は驚きながらも、大丈夫と答えた。 五十嵐は、私が雨に濡れないように、傘をさしていた。 「ねえ、五十嵐は好きなことに熱中している人って、おかしいと思わない?私のようにさ。」 この人も、どうせ私をよく思っていないのだろう。本ばっかり読んでいる私を。 五十嵐は、私の思っていることとは真逆の言葉を返してきた。 「素敵だと思う。好きなことに熱中している人は人生が充実してるし、とても魅力的だから。」 五十嵐は真剣な顔で言った。 そっか、私は自分の好きなように生きないと。いちいち周りの目を気にしていたら、きりがないからか。 「ありがとう。元気が出たよ。」そう言って、にっこり笑った。 私は、立ち上がった。短時間座っていたのに、体が重く感じられた。 「帰ろう」と言いながら空を見上げた。 さっきまで暗かった空は、澄みわたり、オレンジ色の光を放っていた。 7色の光が弧を描くように、虹の架け橋を作っていた。 それはまるで、私の心の中を表しているみたいだった。 私たちは空に見とれていた。そういえば、気になっていることがあったんだ。 「てか、五十嵐こんなところで何してたの?」 「えっ?ああそれは、お前が落ちこんでた顔をしていたからだろ。」 五十嵐は何故か照れながら話した。 「ふーん。ま、いっか。」 もしかしたら、あの時感じた視線は、心配していた五十嵐の視線だったかもしれない。 正直,うれしかった。 自分のことを認めてくれる人は、中々会えないものだし、 今後、そんな優しい人達を大事にしていきたいとも思った。 「五十嵐。よろしくね」と笑顔でいうと、 五十嵐はしっかりとした返事で返してくれた。 ーfin-