あの時の君が好き 小説です!
「まってよ!」 私は1人の男子を追いかける。 「へへ!」 その男子、コウは私のシャーペンを奪い、「こっちですよ!」と言わんばかりに走り出していた。 私は、そのシャーペンを奪い返そうと追いかけている。 「コウ!いい加減返してって…」 「コウ、ライムさんの事好きなんだろ?」 モブ男が言う。…何言ってんの。 「は…」 コウは立ち止まり、顔が赤くなる。 今のうちに奪い返してやろう。 彼がぎゅう、と握っているシャーペンを奪い返そうとしたが、なかなか離さない。 コウって、いつもそうなんだよね。 私に意地悪してくるし、いつもいつもちょっかいかけてくるし。 でも、本当は優しい。 どう思ってるんだろ?よく分からない人だ。 私の文房具が好きみたいだ。いつも取ってくる。 …趣味が同じなのかな? それで、しょうがないからいつも私が追いかけて。 私はあと1か月で、小学校卒業だ。 コウが卒業するのはあと1年後。 1年経てば、コウも少しは大人っぽくなるのかな? 卒業式が終わり、中学校に入学した 私。 「ねぇねぇライム、知ってた?ハルちゃんとナツくん、付き合ったらしいよ!」 「え、ほんと!?え、だってナツくんって、ハルちゃんにちょっかい出しまくりじゃなかった?」 ……そんなんで恋愛に発展するもんなの? 「それはナツくんがハルちゃんの事好きだからじゃん! なんかさぁ、ほら男子って好きな女の子に意地悪しちゃうらしいし」 「え~…そうなの?」 …ほんとかなぁ? ほんとだったら………何でそんなことするんだろう。 1年後。入学式。 そういえば、コウも入ってくるんだよね。 考えていたら、コウを見つけた。 なんて話しかけたらいいんだろ? 考えてみれば、いつもコウから話しかけられてばかりだったな。 …私から声かけたことってあったっけ? 毎日話してたから、気にしてなかったな。 あれ。すれ違ったのに、何もなし。 コウ、私の事忘れたの? いつも遊んでたよね? 私は少し寂しくなった。 うざいな、なんでこんなことするの、ってずっと思ってたのに。 何もされなければされないで、少し…… それから毎日、コウの事考えてばかりだ、私。 昔なんて、コウの事なんて考えたことも無かったのにな。 ………もしかして私、コウの事好きだったの? な訳ないか。 久しぶりに体育祭の練習で、合同体育になった。 「おい、ライム!」 コウに話しかけられる。 少しドキ、とした。 …??? ハチマキをくい、とコウは出す。 緑だから、私のハチマキだ。 落としていたのを拾ってくれたんだ。 「ありがと」 「おう」 え、それだけ? 凄く寂しくなった。 ……わかった、私。 コウの事、好きだったんだ。 認めたくないけど。 … 「コウ、ライム先輩の事好きなんだろ!何でもっと話さないんだよ」 「前…話しすぎて……からかいすぎて、多分嫌われたから なんか前みたいに話しずらいんだよなぁ」 「お前駆け引きとかするタイプだったの!?」 「ちげーって!」 もうからかわないように、しつこくし過ぎないようにしようって、決めたんだよ。