鳥居の向こう、君のそばで。
ー町から外れた所にある神社の石畳を、誰かが登る。黒髪の少女で、名は琴(こと)といった。賽銭箱に賽銭を入れ、手を合わせる。その姿を、鳥居の上からじっと見ている者がいた。その者は琴と同じくらいの少年だったが、褐色色の髪の毛の間から三角の耳が生えている。神主のような服装の袴からは、ふさふさとした尻尾が生えていた。少年は鈴(すず)といい、この神社に仕える妖狐であった。この神社は人がほとんど来ない。鈴も神社の裏で寝てばっかりだったが、最近この少女が来るようになってから鈴はずっと鳥居の上で彼女の様子を見ているのだ。段々と気持ちは強くなっていき、今は彼女は思い人である。鈴は今日その想いを伝えようとしているのであった。タイミングを見計らい、人間に化ける。そして声をかける。「ねえ、きみ、琴ちゃんっていうんだよね。」少女は少し驚いた様子で「う、うん。」と答える。はにかんだ様子に思わず顔を背けてしまう。今にも変化が解けそうだ。「…いつも来てるよね。」「うん。ここには狐さんがいるって言うから、会いたくて。」やばい。尻尾が出そうになるが、必死で押さえる。「今日は何しに来たの。」「…今日でこの町を離れるの。…だから最後にここに来たくて。」 彼女はもうすぐでこの町を離れるようである。この言葉を理解するのに時間がかかった。でも気持ちを隠して続ける。「…そっか。友達、できるといいね。…あの、狐さんはいつでもここにいるから…いつでもきてね。」「うん、ありがとう!またいつか…!」彼女は微笑むと、石畳を降りていった。…これでよかったんだ。大体、妖怪が人間に情を抱くことはない。だが、鈴は待ち続けた。また彼女が鳥居を潜る日まで。これは、一人の少女に恋をした、妖怪の話。
みんなの答え
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かわいい!
かわいい系のお話だいすきです♪(´ε`*) すごく、狐の妖怪の男の子の心情が伝わってきます(о´∀`о) 雰囲気がかわいい・柔らかい感じなので、もう少し文体を柔らかめにしたら、もっと味が出ると思います(^ー^) 作品の意図を読み取れていなければすみません(;´Д`) 続き読みたい!!
いいねー
ええのー 私自身がこうゆうの好きなのもあるけど、こういうのが書いてみたい! 挿絵とかつけたい! 心情の描写がとってもいいのね。一緒ものです これからも頑張って下さいー センスがあるのー。