消失
ある朝目覚めて、制服に着替えリビングへ行くと、両親が自分を覚えていなかった。 「アンタ誰!?」 「落ち着け!まず警察を呼ぶんだ!」 困惑していたがまずい状況なのは解った。家から逃げ出すようにして出て学校へ向かっても、 「誰?」「転校生?」「教室間違えてない?」などと言われる始末。果てには生徒を装った不審者かとも思われて逃げてきた。昨日まで親友だった人も、まるで僕を知らないかのようだった。 もしかしたら僕がおかしいのかも知れない。でも頬をつねっても頭を壁にぶつけてみても目は覚めないんだ。夢じゃない。それに僕はまともな判断をしている。おかしくなったんじゃない。 主人公が記憶を失う物語はありふれている。だが主人公の周囲の人間が主人公を忘れる物語を僕は知らない。 市役所へ行って僕の名前をたずねてもそんな名前の住人はいない、とのことだ。僕はこれからどう生きていけばいいのだろう。それを調べる術を僕は本で調べるくらいしか知らなかった。 本棚の本の背表紙を追いかけていると、「パラレルワールド」なるものを扱った本を見つけた。気になったので開いてみた。 『あなたはパラレルワールドというものをある世界から分岐し、並行する別の世界のことです。今日の朝ごはんをごはんかパンか迷ってパンにしたら、ごはんを選んだ世界ができる。これがパラレルワールドです』 僕は、一つの可能性にたどり着いた。僕はいつの間にかパラレルワールドに来ていた。この世界は僕がいないパラレルワールドなんだ。でも僕はどう戻ればいいかわからない。 図書館を出て町をさ迷っていると車に轢かれた。 目覚めると、いつもの家、もしかしたらもとの世界に戻れたのかもしれない。期待して外に出ると、誰もいない。今度は僕だけがいる世界だった。
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
やっぱ天才
うまい!作家になれそう!! めちゃいい!!また書いて!
すごい!
すごい!ニックネーム通り天才だね コメントはしてなかったけど前のスケッチブックの話も好きだよ♪ 将来売れっ子作家さんになりそうだね できれば、また投稿してほしいな 応援してるよ!
面白い
非常に面白い小説でした。主人公が記憶をなくす、という物語はよくありますが、主人公の周囲が主人公を忘れる、というのは見たことがありません。最後に救われると思えば決してハッピーエンドにはしない。だけどまだ希望が残されている、という微妙な後味の悪さ、薄暗さを感じるエンド。これからに期待します。