雨上がり。君と
ぽつぽつと傘と雨で音を奏でる。 梅雨は嫌いじゃない。 でもこのじめじめだけはどうにかしてほしい。 そして今日…私は…なんと…ななんと 傘を忘れました いやほんとにやらかしたよ。 土砂降りじゃん…。新しい制服…濡らしたくなかったのに。 えーい!もう走って帰ろ! バサッ 「いたっ」 頭になんか当たった! 誰よなんか投げたの… そういって後ろを振り向くと 啓太がいた。 「なにすんのよ!」 ついつい怒鳴る。 「さえお前どうせ傘持ってないんだろ! それやる!」 ぶっきらぼうに投げてきた傘。 いやがらせかと思ったけど私のこと考えてくれてたんだ。 そう思うと胸がきゅううんとする。 心臓が縛り付けられているようなのに。甘い。 「じゃ、じゃあ啓太はどうするのよ!」 まず感謝を言ったほうがよかったのかな…。 言葉を発した後、少し後悔する。 「別にいい! 俺家近いんだよ!」 そういって啓太は走り去ってしまった 「あっ…」 ありがとう。って言いそびれちゃった。 今日帰ってから返す時言おう。 手元の傘を見つめる。 ありがとう啓太。 そうぽそっとつぶやいて傘をさす。 梅雨が好き。傘と雨の奏でる音が。この恋が。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 救急車のサイレンの音がする。 謎の胸騒ぎ さっきより降って大雨警報の出る雨。 甘さを感じない心臓を縛る鎖。 この雨で返しに行くのは無謀だな。 ポケットからスマホを取り出す。 片手でスマホのキーボードを打つ。 『啓太ごめん。この雨じゃ返しに行けなさそうだから 明日学校の時返すね』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 昨日送ったLINE 既読もついてなかった。 ホームルーム前に考え込む。 啓太は今日欠席。 先生が教室に入ってきた瞬間 はきそうだった。 先生の曇った表情。 未だやまない雨。 窓に垂れる水滴 私の 叫ぶ声。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 風もやんで、雨も止んで夕日が出る。虹がきれいに半円にかかる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「啓太が昨日、亡くなりました。 もともと持病があったのですが、昨日もともと体調がすぐれなかったみたいで、そのまま傘を差さずに体を冷やして帰ってきたのが原因みたいで…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「私、まだありがとう。っていってないよ。」 雨は止んだはずなのに 目はずっと濡れている。 「さき。」 啓太に呼ばれた気がして上を見上げた。 空にはまた大きく虹がかかっている。 あるはずのない手を握る。 「きれいだね。啓太。」 これにて終わりです! 少し切ないお話です汗 また投稿したら見てくれると嬉しいです
みんなの答え
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泣
こんにちは! 結珠です(^^) 早速本題let's go 感動しました~! 素敵な作品>< それじゃあまたね!
泣ける~!
啓太に、伝えられなくなってしまった思いにすごく感動!そして、体調が悪いのにも関わらず傘を貸す啓太の優しさにも涙が止まらなかった!「空模様」も見ました。雨の情景や主人行の気持ちをこんなに読み手にはっきり分かるように書けるのがすごい!私も小説書いているけど、こんなに書けないよ!次回作も期待してるね。
え・・・?
【空模様】から来ました! どっちもすてきすぎる ついつい物語に見入っちゃって 心のあたりがきつくなる感覚がしました 【空模様】も【雨上がり。君と】も どっちもすてきすぎる作品でした 同い年なのに何でこうも違うのか・・・ すずらんさんの話楽しみにしています!!
お--!!
「空模様」がステキすぎて来ちゃった! …やっぱすごい!!表現とか…!さすがすずらんちゃん!!
す、すご……
切ない系の恋愛小説大好きなんです! だから、コレ見てすごいなって思いました(><) 表現とかめちゃ好きです! でも、主人公の名前がハッキリしてないところがすごいおしいと思います……。 さえなのかさきなのか、ハッキリしたら100点満点だと!