俺の、雨のち晴れの曲
俺は快斗。高校生の軽音楽部である。 今日は雨。雨だから、気分は重いが今日もいつもの日常が始まる。。 いつものように学校へ行き、いつものように部活に行き、バイトをして、スタジオに入り、喫茶店で部活仲間と反省会をする。反省会といっても俺ともう一人、悠也というボーカルの親友だ。 外では雨が降っている。 「あーあ。今日は雨。俺、雨嫌いだよ。気分は下がるしさー、、」 俺は何気なく呟いていた。 「そう?俺は雨、好きだけど。」 悠也からの意外な返答。ふと前を見ると、悠也は喫茶店の窓にもたれかかっていた。 「俺さ、雨に濡れたアスファルトとか、土のにおいとか、好きなんだよね」 俺とは真反対すぎる。第一雨は臭いし、濡れるし、靴も汚れるし。 「次はさ、そういう曲を作りたいんだ。」 そう。最近は軽音楽部の中で曲の題材が浮かばず、みんな悩んでいたところだった。 「え~なんか地味じゃね?もっとさ、こう、派手な…」 悠也は戸惑いの面持ちを見せながら口を開けた。 「…じゃあさ、仮に明日死ぬなら、お前は何する?」 「え~…急に言われてもさ。多分いつも通り過ごすだろうな。いつも通り。」 「なんだよお前も地味じゃねえか。」 二人でお互いに呆れながらも笑い合っていた。二人とも、いつも通り。 翌日、悠也は死んだ。 俺は高校なんかすっ飛ばして葬式場に駆け込んだ。 『いやだからさ、なんでいっつもこうなの?』 親友の突然の死。それはとても大きな悲しみだった。 『お前がいなきゃ、俺の人生は成立していかないの。俺、これからどうすればいい?』 何も言わない写真の悠也に心で語りかけていた。 がんによる死だったと言う。それは親友の快斗でも初めて知ることだった。 『お前は余命が分かった時、どう思ったんだ?』 それからはなんににもやる気になれない。 第一ボーカルのいない軽音楽部なんて。 傘をさして雨で濡れるアスファルトの道を歩く俺の気分は沈んでいた。 と、その時。 光がアスファルトや草木に差し込んだ。 雨が降っていたが思わず傘を閉じて、静かに降る雨に打たれていた。 「お前が作りたかった曲っていうのは、これだったのか。」 俺は急に元気が出たような気がして、部員をいつもの喫茶店に集めた。 ボーカルがなくても、あいつを一番知っている俺が歌えばいい。俺のギターと一緒に。 部員が集まった。 早速悠也が託した曲の提案を始めた。 「え?そんなの地味じゃんか。第一さ、雨なんてさ。」 「あ、雨だ。」 話をすれば急にパラパラと雨が降ってきた。 「えー、傘ないよ。だりぃ…」 まあ確かに。でもそれは、この前までの俺の話。 「そう?俺は、雨の日好きだよ。」 「ええっ!マジで!」 みんな結構驚いていた。 俺はさりげなく、悠也の思いも込めて、小さく言った。 「まあな…」 梅雨の時期なので、雨を題材にしてみました!
みんなの答え
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感動!
めちゃ感動した!!それを表現できててすごい!!
すごいですね!
短い話のなかでいろんな思いが詰め込まれてる感じがしてすごく良かったです!衝撃的な展開も面白いし、風景を文字でたくさんかいててすごいなあって思いました!
感動しました
すごく感動しました。 ちなみに私は雨が好きです。
すごーい!
語彙力と文章力の塊や…(=凄い)
感動しました!!
感動しました…途中が衝撃的でした……あと、すごく読みやすかったです!