癖
私には、人によっては変わっていると思うかもしれない・・・とある趣味がある。 それは、人の癖を観察すること。 例えば、爪を噛む癖、髪をいじる癖、頭を掻く癖・・・ 人には色んな癖がある。 自分で自分の癖を自覚している人もいれば、全く自覚していない人もいる。そんな点でも、癖の観察は面白かった。 最近、面白い癖を持っている人に出会った。 名前は、この春、高校二年生になってから初めて同じクラスになった男の子、川中祐希くん。 席が隣になってから気づいた彼の癖は、嘘を吐く時に唇を指で挟むこと。 しかも彼はそれを無意識にやっているようで、更に観察するのが楽しくなった。 梅雨のとある日。 今日は図書委員の仕事があって皆より帰るのが遅くなってしまった。荷物を取ろうと急いで教室に戻ると、川中くんが居た。 「あれっ・・・?か、川中、くん?どうして・・・」 驚いて聞くと、川中くんが言った。 「・・・あ、岡原・・・、待ってた」 「え、待ってた・・・って、どういうこと?」 しばらくの沈黙が、二人きりの教室を包む。 少し沈黙が続いたあと、彼が話し始めた。 「俺さ・・・、岡原のこと、ずっと好きだったんだ」 「・・・え?」と、驚いて聞き返してしまう。 「う、嘘・・・冗談、だよね?川中くんがそんな・・・」 川中くんの顔が少し赤いように見えた。 「・・・うん、嘘。ごめんな。忘れていいから。じゃあな」 そう言って、川中くんは教室を出ていった。 ・・・川中くん。嘘をついていた。 あの時、嘘だと言う前、たった一瞬だけ、唇を指で挟んでいた。 そう。これは。この癖は。川中くんも。 本人も、気づいていない癖。
みんなの答え
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おぉ!
表現がすごい!作家かと思った!! 私のくせってなんだろ