【短編小説】 好きな人。
私はある病気を患っていて入院をしている。 晴れて高校に入学したのにまだ数日しか行けていないだなんて人生を恨む。 「莉愛、今日も調子はいいか?」 優しい声で病室に入ってきたのは大好きな私の彼氏、山内奏和。今日も来てくれたことが嬉しくてさりげなく前髪を整える。 「うん!ねぇ奏和、私が病気になっても離れていかないでいてくれるのは何で?」 「……好きだから、かな。」 穏やかな笑顔で目を合わせた。 _________ありがとう。そんな風に思ってもらって『死にたくないよ。』っておもえた…。 夕方、私は病院のテラスで沈む夕日を見てた。 「病気じゃなかったらこの綺麗な景色も見れてないってことだよね……。」 後ろから初めて聞く声がする。振り返ると、私と同い年くらいの少年が立っていた。 「え?誰、ですか?」 少年が近付いてきて私の隣で止まる。 「前園琉衣璃。もう何年も入院してるよ。」 そう言って彼はフフっと笑った。 _______るいり君、か。 「私、瀬良莉愛」 「私、高校入ったばっかりなのにまだ全然行けてないんだよ。友達とか彼氏とか皆楽しそうで胸が苦しくなる。大切な人なのにそう思っちゃう自分が憎くて消えたいって思う。私って病気になるための人間なのかな…。」 馬鹿だと思う。初対面の病気の人にこんなこと言うなんて。 でもるいり君は優しい顔で私を抱き締めた。 我慢して、しきれなかった涙が頬をつたる。 「っ莉愛!?」 奏和の声がした。青ざめた顔で抱き合っている私達を見る。 「いやっ、ちがうの、この人も入院しててっ!」 どう対処していいかわからずオロオロする。 「そうか。ずっと俺の片想いか。」 そう言い残すと奏和は帰っていった。 「まっ……!」 「おい待てよ!!」 気が付くとるいり君が奏和の腕を掴んでいる。 「お前、莉愛ちゃんがどんな気持ちで過ごしているか分かるか?辛いことだって消えたいと思うことだってそりゃ、あるさ!でもお前とか周りの人間に支えられて生きてこれた。そうだろ。好きな女の気持ちも理解しろよ。お前の片想いなんかじゃねぇだろ。莉愛ちゃん。」 るいり君の心にしみる言葉で涙がホロホロ溢れた。 「そうだよ、奏和っ。好きだから苦しくなることもある、でも奏和がいてくれたから生きてこれたのっ!!」 私は奏和に駆け寄りぎゅっと抱き締めた。溢れる涙も奏和に託した。 「ごめんな、莉愛。ずっと一緒にいるから。」 ________私の大切で大好きな人の温もり。 夕日に照らされたるいり君の笑顔はどこか切なかった。 END どうでしょうか。元々はオリジナルの長編小説だったのを短くしてみました! 悪い点、良い点教えてください!