サイカイ
「今日から転校してきた相澤くんだ。ほら、挨拶なさい。」 「ボクは相澤遼といいます。父が新聞記者なので、ボクたちは転勤族です。よろしくおねがいします。」 その年の夏休み明け、そうやって亜依華のクラスに遼が転校してきた。亜依華はまだ3年生だったが、遼に一目惚れしてしまった。 そう、遼は亜依華の好みのタイプだったのだ。しかし、引っ込み思案の亜依華が告白できるはずもなく…ただ時が過ぎてゆき、もうすぐ4年生の夏休みになる。 「突然だが、相澤くんはまた転校することになった。」 えっ!? 亜依華はとてもショックだった。 その日の休み時間、遼の周りには人だかりができていた。亜依華もこっそり聞いていた。 「ボク、きっと中学受験するんだよね。で、ボクが行きたい学校って、K市の近く、ここからは遠いところにあるんだ。しかも、まあまあ難しいし。中学生になったら、ボクはその辺にいると思うよ…」 次の日、遼の机は無くなっていた。 ~1年後(亜依華たちは5年半ば)~ 「ねぇお父さん、ホントにここがK市なの?」 そう、亜依華の家族はK市に引っ越すことになったのだ。 亜依華はあの日、家に帰った途端、中学受験宣言をした。そして、それからというもの、勉強に励んだ。そして、K市の高レベルの塾に入れることになったのだ。しかも、トップクラスに。しかし、塾に入って数ヶ月。なんと世界でDウィルスが大流行し、塾も休講になってしまった。その間はオンライン授業だが、やはり対面の方が断然楽しい。そして、やっと収束し、塾が「再開」した。 「今日から一緒に授業を受ける相澤くんだ。彼は近くに引っ越してきたそうだ。」 なんと、遼と「再会」。あいにく学区は違ったが… そのあと、亜依華と遼は同じ学校に受かり、進学。今では、2人は付き合っているという。