屋上での初恋
私、森永 光 (もりなが ひかり)は 屋上から飛び降りようとした。 静かに瞳を閉じて体の重力を 前投げ出す。 パシッ 「何してんの?」 突然、手を掴まれ後ろを向く。 するとこの時期には寒い夏服をきた 同い年くらいの少年が立っていた。 「なんで止めるのよっ!」 「ん~、なんでなのかな…」 「離してよっ」 「いや」 私は少年の手を振り払う すると少年は悲しそうな顔をする。 それが苦しそうで似ているな、と思った 「…わかった。今日は飛び降りない」 「良かったぁ」とふにゃっと笑う彼 その顔になけてきてしまう。 「僕に相談してよ」 そういって笑う彼の姿に絆され はなしてしまう 親から虐待されていることを。 優しい瞳で見つめながら聴いてくれた それからというもの私は彼に会うために 屋上へ通うようになった。 私は彼に恋をしいたのだ。 彼の優しい笑顔。真っ直ぐな心。 彼の全てに惹かれていった。 彼は佐賀原 海(さがはら かい)と 名乗った。 「へー光って写真部なんだね。」 「そうだよ。明日、海の写真も とるよ!」 「ありがとな」 次の日、授業で個人で 写真をとる事になった。 参考のため、先輩達の写真を 見せてもらう。6年前まで遡ると 私は驚いた。カメラ目線で 優しく笑う彼…それは海だった。 私は屋上へと駆け出す。 バンっ 「海!!」 「ん?」 「幽霊なの…?」 「そうだよ。ごめんね」 「なんで死んだの…?」 「いじめだよ…。僕には好きな子がいて その子は可愛くて人気の子だった。 でも女の子は僕のことが嫌いで みんなに言いふらしたんだよ。 そしていじめられるのが怖くなって 飛び降りた」 「な…なんで教えてくれなかったの?」 「そんなのどうでもいーじゃん」 「そっか…後1つ報告。海の写真は 取れない」 「そうだよなぁ」 泣きそうな顔で彼が言う。 「いやになったんじゃない。 もう取ってる人がいたから」 「え…?」 「ほら」 私は箱に入っていた大量の写真を 彼に見せる。 「翔(しょう)…」 「あのさ。その人、森永翔でしょ?」 「なんで知って…」 「私のお兄ちゃんだもん…」 「そうなんだ…」 彼は泣きながら写真を見つめる 最後の写真を海が見ると涙が溢れていた その写真には小さい頃の私と兄と海が 笑顔で写っていた。 「ははっ。もうこの写真は反則だよ」 彼は私の頬にキスをする。 「え…?」 「ふふっ」 あの優しい笑顔で笑う。 次の日、屋上に行くと誰もいない。 僕は屋上のフェンスを超えて ギリギリのところに座る そこで手を伸ばしていう。 「さよなら私の初恋。 ありがとう私の人生…」 私が飛び降りようとすると 頭の中で海の声が聞こえる。 「死ぬなよ。バカ」 私はその言葉に背中を押されて 教室に戻った 2年後… 「聞こえてる?私の声が…。 卒業したんだよ!海。 海、ごめんね。好きだった だからさ、いつかまた、会えたら この思いを伝えさせて」 屋上でそういって瞳を閉じると 彼の笑顔が浮かんできて涙がこぼれた。