愛しているからサヨウナラ
俺には好きな人がいる。 とても優しくて他人に頼らず頑張り屋だ。 そんな彼女にいつの間にか恋をしてしまった。 ある日の塾の帰りにばったり会って一緒に帰ることになった。 「あ!それ私も好き!」 「え?マジで!」 話が合ってとても楽しかった。 とてもドキドキした。 でも、その子がずっと俺の隣にいられるわけじゃないから…… その日から俺たちは良い友達として毎日を過ごしてきた。 良いんだろうか、これで。俺は幸せだ。だけど、ずっとこのままの関係でいいのだろうか。 学校では俺たちは付き合っている設定になっているらしい。でも、彼女は全く気にしていない。 そう、俺たちの関係は恋人未満で友達以上なのだ。 , , , じりじりと近づいてくるこの時間が止まって欲しいとなんだ思っただろう。 「あ!来た来たっ一緒帰ろ」 相変わらず彼女は優しい。わざわざ俺を待ってくれたなんて。恋人でもないのに… 嗚呼 「…ぇ、ねぇ!」 「あ、えっ?なに?!」 彼女はずーーっとこっちを見つめる。 「さっきから静かだからさ、どうしたの?」 「…」 とうとう来てしまったか。 「俺さ、お前のこと、」 そう言って俺は口を閉じた。言ってはいけない気がした。 スーーハーー 大きく深呼吸した。 「俺、お前ともう会えない。」 彼女は固まった。 「なんで…」 俺は続けた。 「じゃあな。」 「待ってよ!なんでなのっ!ねぇ!」 大声が聞こえる。 俺はまともに聞かず彼女から遠ざかった。 「ねえったら!どうしたの!」 必死に聞こえる声。“行かないでっ”って言っているようだ。 俺って最低だ。 会えない_考えただけで声を出して泣きそうだ。でも、我慢した。 なんで転校なんてしなきゃいけないのだろう。何度もそう思った。 俺は振り返った。 「愛しているからサヨウナラ」 顔いっぱいの笑顔で言ったはずだ。 もう会えないのは、しょうがないから…