君と見ている春の空
「今日は春一番でいい空だね!」 ニコッとはにかみ両手を広げてそうい言い残すと遥は風の中に消えていった。 「おはよ~日向(ひなた)!早くしないと遅刻するよ?」 俺は朝から遥(はるか)のその一言で起こされた。 「え?じゃあ今何時?」 寝ぼけなまこで遥に返事をする。 「えっとね~、7時半だね」 と遥は俺に時間を告げた。 「は!?あと15分で出ないといけないじゃん!」 俺は焦った、(あと15分で家でないといけないとか、嘘だろ?)半ばあきらめていたかもしれない。 「遥!待っててくれ15分きっかりで家出るわ」 「OK!待ってるから~」 これがいつもの毎日。 遥は幼馴染で俺の好きな人。 そしてよく一緒に中学校に登校する。これはもはや生活の一部となっていた。 毎日が幸せで遥といつまでもこんな幸せな日々が送れると思っていた。 けど、そんな幸せは長くは続かない。いつかは終わりを迎える。 ある日の放課後 珍しく俺と遥で帰ってるとき、俺は遥と話すのに夢中で目の前を見ていなかった。 ちょうど横断歩道のところまで来たとき。 次の瞬間、聞こえたのは車がキキーーーーとブレーキを踏む音と、遥の「日向!危ない!」と言う声だった。 その音が頭の中で響いて遠ざかっていく。 「大丈夫かい!」 俺は母の声で目が覚めた。 「どうしたんだよ母さん」 見渡すとそこは病院。 さっきあったことを思い出す。 「母さん!遥は!遥はどうしたんだ!」 そう聞くと母は悲しそうな目で首を横に振りこういった。 「遥ちゃんは死んだのよ」 「う、そ、だろ?」 唐突に言われた言葉は遥が死んだということだった。 「あんたを庇って車に跳ねられたって」 「当たり所が悪くて即死だったらしいわ」 母の口から出てくる言葉は驚きの言葉ばかりだった。 俺は遥が死んだことを受け入れられなくてしばらく入院した。 そして退院した日、俺は遥に告白するつもりだった。俺たちがよく遊んでいた公園に来た。 遥がまだ生きているかもしれない。頭の片隅にあるそんな言葉がここに来いと呼んだ気がした。 「遥、お前、まだ生きてるよな?これからもずっと一緒だよなぁ!」 涙が溢れる。 その時、後ろからふっと風が吹いた。後ろを振り向くと遥がいた。 「今日は春一番でいい空だね!」 ニコッとはにかみ両手を広げてそうい言い残すと遥は風の中に消えていった。 「なんだ、まだいるじゃん。俺たちの心の中に」 そう言うと俺は空を見上げた。 そこには雲1つない青空だけが広がっていた。