狂った愛の奴隷
机に置かれていた新聞やリモコンが派手な音を立てて吹っ飛ぶ。続けてハサミ。 もう日常となった光景なのに未だ俺は部屋の隅で打ち震えることしか出来ない。かといっても何年も前に親父が出ていったこの家じゃ母を止められるのは俺しかいない。 まぁ、被害を受けるのも俺独りだが。 刹那、視界が大きく揺れ頭に強い衝撃を受ける。一瞬のことによく分からず、やっと殴られたと知る頃俺の瞳にはうずくまる俺の腹部を蹴る母親が映った。 聞き取れない程の高い金切り声で何かを叫んでいる。大方、自分への愚痴だろう。そして後になって泣きながら怪我を気遣うのだろう。毎日それの繰り返し。中3のこの身体なら母に抵抗することだって出来るし、この状況から抜け出す方法はたくさんあった。 でもしなかった。いや、出来なかったに等しい。 だってこんな状況になってしまったのは俺が悪いからだ。頑張って働いて俺を養ってくれる母さんにそれ相応の労いを何一つしてやれない俺のせいだ。唯一俺にできるのはこうして母さんに殴られることしかできない。 この考え方が少し違うとは気づいていたが、どうしても従うしか出来なかった。泣いて怪我を気遣う母を思い出す度にその気持ちは高まっていった。 母さん、こんな不出来な息子でごめんなさい。 家のこと一つもしっかり出来ない俺でごめんなさい。 待って、見捨てないで。俺、頑張るから。それに母さんは本当は好い人だって知ってるから。 俺がこんなに悪い子だからいけないんだよ。 もう...泣かないでよ。本当にこんな俺のことを気遣ってくれるなんてなんて優しいのだろう。こんな好い人を悲しませる俺なんて...。 母さん、出来る限りのことはするからさ、そばにいさせてよ...。母さん...。 蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶のように彼の心は彼女に食い散らかされるのだった。 彼はこれからの未来をどう過ごすのだろうか。いつか、母の呪縛から解き放たれたいと思ってくれる日が来るのだろうか。 ...私にはそう思えない...。
みんなの答え
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面白いですね
細かなところまで書かれているので場面が想像しやすく、すごい面白いですね。さぞかし小説がお好きなんですね。これからも小説を読んで様々な表現方法を吸収してくださいね。 ですが、一点気になるところが…文中に「刹那」と出てきましたが、後ろの文を読む限り、「刹那」にする必要はない気がします。「突然」くらいで良い気がします
ヤッバ…(語彙力皆無)
最後の「蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶のように」 がセンスで溢れてますね…凄くヤバいです。
すごいですよ!!
冷凍食品の文化さんすごい!!感動しました!虐待にたえるなんて、私はとってもムリです!上からめせんでごめんなさい!才能ありますよ!
す、すげぇ...
さいたまです! タイトルと最初の一文が気になって読みました。 最初の一文の書き方が迫力があってすごいですね...! 語彙力や文章力もあって、読みやすくて主人公の辛さがよく分かります...。 それに比べて私がこの前投稿して初めて載った自称・薄ーい恋愛小説(だったっけ?)って内容も軽いし文章もめちゃくちゃですね汗。 私も小説書く練習して頑張ります!
文章上手いですね!
もう親よりも力を持っていたとしても虐待に耐える主人公、悲惨です。。 いくら酷いことをされたってほとんどの人が親を完全に嫌いと思えないのはどこかで優しかった頃を思い出しているからなんでしょうね。別に虐待は受けていませんが共感します。 語彙力ありますねー「刹那」とか夏目漱石でつい最近知った言葉です、上から目線ですみませんが才能あると思います!