君が涙を流した日
今でも分からない。一体君は誰だったんだろう。ただ覚えているのは君が突然いなくなった日の前日に君が一人で泣いていたという事だけ。 夢だったのかな?僕以外誰も君を覚えていないんだ。不思議だね、確かに君は僕が通っていた学校に転校して、君は僕と同じクラスになったのに。君は勉強も運動も転校してきてから、学校で一番の成績を修めた。だから学校のみんなは君を注目していた。なのに誰一人君を覚えていないんだ。君は勉強も運動も完璧なうえに、とてもモデル顔負けの美少女だった。多くの男子は君に恋をした。 そんな君だから、実は芸能人の隠し子だ。とか、宇宙人だとか、根も葉もない噂がたちまち広がった。そんな時だったかな。僕が君にすごいね。と何気ない会話をしたら、そんな事ない。と謙遜していた。 僕は君を尊敬していた、その日だったかな。移動教室の帰り僕がたまたまクラスのみんなより早く教室に戻った頃、教室には誰もいないはずなのに教室には君がいた。外側の窓から外を眺め、静かに涙を流す君がいた。 その日僕は少なからず君に違和感を君に覚えた、一番の理由は下校だ。その日君は僕を誘って一緒に下校しようと誘った。僕は尊敬していた君に誘そわれるとは夢にも見ていなかったからとても嬉しかった。それと同時にさっきの事も聞けるかなとも思っていた。そろそろ別れ道になって良い場所なのに、君は僕と同じ方向だった。更におかしな事に僕の家の近くになっても君はじゃあ「私こっちだから。」すら言わなかった。不思議に思って思いきって聞いたんだ。「君の家はこの近く?」そう聞いたら「そうだよ、」と答えたんだ。でも僕はどうしても納得がいかなかった。こんなに家が近所なのに、どうして気がつかなかったんだろう。と僕は不思議で仕方がなかった。さすがに下校中、無言という訳にもいかなかったから、話しはした。と言っても、僕からの一方的な質問ばかりだけど。その時僕は噂が気になって本人に聞いたんだ。君の親は何をやっている人?そしたら、君は笑顔で、いや、笑顔だったけど僕にはどこか悲しそうな笑顔にも見えた、そんな顔で君は何も言わなかった。ただ笑顔の奥に悲しみを潜めて何も言わなかったんだ。 僕は咄嗟に質問を変えた。君は宇宙人って噂があるけどさすがに宇宙人はないよね。慌てたせいで変な質問になった。でも君は真面目な顔で「宇宙人とはちょっとちがうかな?」そういって君は僕に「会え良かった。ありがとう。さよなら。」そういって微笑むと去っていった。僕は結局聞けなかった。 何故君はいるはずのない教室で涙を流していたのか。君は一体何者なのか。次の日学校に行き、教室に入ると君の席、机がなくなっていた。驚いて周りの子に、「ここにあった○○さんの席と机なんでなくなっているの?」と聞くと、息をのむような返事が返って来た。「○○さんって誰?」慌てて説明するも、訳の分からないという顔をされ、他の人に聞くも同じ返事が返って来るだけだった。先生ですら同じ返事だった。君を覚えているのはただ一人僕だけ。君が涙を流した日、君は何を思ったんだろう。宇宙人とはちょっと違う。そう言った君は誰だったんだろう。何故君は親の話しをしたら悲しみの笑顔を見せ何も言わなかったんだろう。どうして誰も君を覚えていないんだろう。僕は忘れたくない、君の事を。僕は忘れない、君の事を。誰も君を覚えていなくても僕が覚えているから。君が涙を流した日。これ以上君が涙を流さないように。