吸血鬼の紅い涙は
エマは美しい吸血鬼だった。自分でも気に入っている。エマは17歳になるまで、人間界で人間の血を吸ったことはない。だが、今日はタイムリミットだった。吸血鬼は17年に一度は人間の血を吸わないと干からびて死んでしまうのだ。 エマは酒場で見つけた美味しそうな人間の男を誘った。男は嬉しそうににやけながらエマについて来た。 「どうしたの?小夜子(さよこ)ちゃん?まさか僕みたいなおじさんとホテルに怒ってんじゃないよね?君なら他に若くてかっこいい人、見つかると思うよ」 口ではそう言っているものの顔には嬉しいと書いてある。 小夜子とはエマの人間界での名前だ。 「おじさん」 エマは男に抱きついた。そして、男の首筋に鋭い牙を立てた。エマの瞳の色が黒のようなピンク色から明るいピンク色に変わる。男の血がエマの体に入る。男の血はエマの見立て通り、甘く、美味しかった。男の血を一リットルほど吸い、男から体を離すと、男は呆然としていた。 「今、何した?」 エマは男に呪文を唱えた。すると、男の首筋にあった傷が無くなり、男の血は元の量に戻り、男の記憶からエマがを吸ったことは消えた。 エマは男の前を去った。そして、エマは一軒のビルに入った。吸血鬼であるノアがいるのだ。ノアはエマの彼氏だ。ノアの人間界での名前は智久(ともひさ)。歌手、俳優から取ったらしい。ノアは日本でノアという名前が女性の名前として使われていることに驚いていた。 ノアはエマの顔を見るなり、 「オリビアが心配してた。お姉ちゃんはうまく人を誘えて、記憶を消せるか」 オリビアとはエマの妹だ。今年で14歳。 「大丈夫。出来たよ」 ノアが拍手をする。 「やっぱり、まだ違和感があるよ。ノアが女の子の名前なんて」 「漢字は可愛いよね」 エマは紙に“乃亜”“乃愛”“乃阿”と書いた。 「私、ぶった切りって嫌いなんだよね。愛はあとは読まないし。あと当て字も嫌い。陽でひと読ませたりとか」 「エマに賛成。ところで、エマ。血は満足に吸えたか?」 エマは首を振った。人間は体内の三分の一の血液を失うと死んでしまう。それ気にしたエマは一リットルだけ吸った。 ノアが玄関を指差す。エマは頷き、外に出た。
みんなの答え
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もうこれ好きです
吸血鬼モノ大好きなので、読んでいてすごく面白かったです! 雰囲気も素敵ですね。 吸血鬼が人間に化ける世界。でも、吸血鬼のエマは、人間に情けを持っているのでしょうか?そういった葛藤のようなものも感じ、すごく素敵だと思いました。 ノアとエマの関係性も気になるところですね。たいへんよいと思いました!