【短編小説】紙飛行機のメッセージ 。
季節は、暖かくて花壇に綺麗な花が咲き誇る春。今日はとっても天気がいい。 「青空ー? あ、また紙飛行機折ってるんだ?」 「だって、おもしれーじゃん。紙飛行機。何処までも飛んだり、飛ばなかったり。意味深だと思わねー?」 私は日向(ひなた)。友達もあまりいないので、いつも幼なじみの青空(そら)と一緒に遊んだり、会話をすることが多い。 「さぁー?さっぱり…」 「やっぱ女子は何もわかってねーなぁ男の心がよぉ。」 私が「だって女だもん」と言うと、青空は「あ、そか。」と納得したような表情を浮かべた。 青空はしばらく考え事をし、唐突に折った紙飛行機を投げてきた。すーっと、綺麗なことに勢いよく真っ直ぐ飛んできた。 「わっ!?何よ!」 「中、見てみてよ。」 そういわれ、紙飛行機を広げてみる。 "明日の給食なんだっけ" 紙飛行機の中には下らない日常会話が書かれていた。 「明日の給食はカレーだけど…口で言えばよくない??」 「いーじゃん!面白くね?」 やっぱり、さっぱりわかんない… 「あーもう。下校時刻だ、帰ろ!」 「でさー、佐藤先生がさー」 いつものように通学路で話をしているが青空はボーっとしていた。 私が短い横断歩道を渡り、何も言わない空に「ねぇ?」と振り返った。 青空は横断歩道を渡らず立ち止まり、顔を赤くしながら「日向…。キャッチして」とさっきのように紙飛行機を飛ばしてきた。私はあわてて紙飛行機にてを伸ばした。 その時だった。暴走した車が、運悪く青空の方に突っ込んできた。交通事故…。私は傷だらけの青空を見て、何かが奪われたような気がした。全てが壊れてしまったようで、心に穴がいたように。涙か次々と出てきたことがわかった。 そんな時、青空の「中、見てみてよ」という言葉が聞こえてきた。もちろん幻聴だ。紙飛行機の中をおそるおそる見てみると。 "ずっと前から日向の事が好きでした" 手が震えていたのだろう。字が少しずつずれていた。が、紛れもなく青空の字だった。青空の紙飛行機の"好き"のメッセージだ。 「青空…!私も青空のことが大好きだよ…!」 泣き崩れていたが、私は精一杯の笑顔でそう言った。何故だか青空に伝わった気がして、気持ちが軽くなった気がした。 空を見上げると雲一つない晴天、青空が広がっていたのだった。