葉っぱになりたい。
『はぁ。なんで。』 私が今、紙に書いた文字。見ていると涙が出てきそうになる。 私は原山彩絵(はらやまさえ)。今は音楽の授業中。 つい先ほどの休み時間、私は友達の優佳(ゆうか)と一緒に絵を描いていた。 お互いの絵。男子の絵。先生の絵。 いくつか描いた後、去年私や優佳の担任だった先生(通称ジジイ)を描こうということになった。 ジジイは去年、イライラして教卓をぶっ倒した。とても大事な手紙を配り忘れた。みんなのテストの丸つけをしないでそのまま捨てた。 私はジジイが大大大嫌いだった。もちろん優佳も。奈々も雄太も未央も春樹も。クラスみんなが嫌いなやつだった。 私は、ジジイの絵をめちゃくちゃに描こうと思った。それを横から優佳が見てる。 ぐちゃぐちゃの髪。長い鼻毛。そして異臭。本当はないものまで描いた。 すると運悪く、今の担任の先生が通りかかった。その先生は髪にパーマをかけているから、少し絵と似ていた。 どうなったかはわかるよね。一生懸命、先生のことじゃないです、っていったけどだめだった。傷ついたって言われた。 どうして?そりゃあ、絵をめちゃくちゃに描いたのは悪いけど、あなたのことじゃないし。ジジイのことだし。それに、奈々だって未央だってジジイの悪口言ってたよ。すごくひどい毒舌。 なんで私だけなの?優佳はあんまり叱られてなかった。なんで?一緒にいたじゃん。 「原山さん」 音楽の先生に指名されて、我にかえる。適当に答えた後、私は窓の外の木を見た。 木はいいなあ。葉っぱはいいなあ。 スズメが飛んできて、枝に止まる。葉っぱは小鳥の歌を聴いている。おまけに今日は雨。気持ちいい水を浴びちゃってさ。何にも悩みがなさそう。 「友達関係」っていう言葉はあるけど、「葉っぱ関係」というのは聞いたことがない。人間みたいに、トラブルも勘違いもないんだろうな。 いつも自由な葉っぱ。 私は葉っぱになりたい。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ こんにちは。ココア☆です。 感想ください。よろしくお願いします。 この話はフィクションです。