アジサイ少女
「梅雨、アジサイが咲いたころ、レインコートを着た少女が現れる。しかし、紫陽花の花がしおれる時期、少女は消える。」そんな噂が、梅雨になると毎回小学6年生の女の子、陽葵(ひまり)の学校では飛び交うのだった。その少女を実際に見た人も少なくない。証言では、「柳茶色の髪で、赤いレインコートを着ている、赤ずきんみたいな子」だった。いわゆる、学校の七不思議的な存在だ。そんなことを考えて、放課後の物寂しい雨を眺めているとチャイムが鳴った。 帰り道、公園の前を通る。アジサイの咲く、きれいな公園。はやく家に帰れと言わんばかりにざんざか降る雨の中、赤いレインコートをかぶった頭を見つけた。近寄ってみても、アジサイのしげみの中に顔を突っ込んでいて、顔は見えない。「ねぇ、あなた、何か探してるの?」陽葵が声をかけると、頭がしげみから出てきた。柳茶色の髪。あぁ、こんな素っ気なく出てくるんだ。そう思っていると、彼女は鈴のなるような声で言った。「ツバメの子が、あっちに行っちゃった。どうしよう。」陽葵は「あっち」がっどっちなのかわからず、聞こうとした瞬間、「こっち!」と手を握られてた。気付いたら梅雨の、あの独特な匂いのする部屋にいた。「こんにちは。陽葵。あなたを一度、ここに連れてきたかった。ふふふ、これ、何回目かしら。そろそろ言うの疲れたから、手短に。きっと、また次もその次も貴方はこれを忘れるんでしょうね。だけど、言うわ。梅雨はまわり続ける。この梅雨はあなたが思い出さないと終わらない。いつかは思い出してね。」視界がぼやけ、完全に暗くなる。 目覚ましの音。頭は、あの子の事でまんぱんだった。あの梅雨、事故に遭って眠り続ける姉。「お姉ちゃん…?」 なぜか忘れていた姉の事。いや、思い出したくなかった姉の事。私がいたのは頭の中。閉じこもっていただけ。 朝、雨上がり、セミの鳴き声と共に、姉の愛する季節がやってきた。 終わり なんか、頭の中でぐしゃぐしゃになってしまい、分かりにくかったら申し訳ありません。
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
センス
設定がたいへん惹かれるものだったので、読ませていただきました。 さりげなく擬人法が使われており、読みごたえがあるのが素敵だと思いました。 改行があると読みやすさは増すかと思います。これは、今後の執筆にも役立つと思うので、例えば登場人物が発言するなどは、 「こういう風に改行」 をすると、他の読者の方も読みやすいのではと思います。 言葉選びや設定にセンスを感じますね。 素敵な小説、ありがとうございました。