アイスと掛けた涙
「こうく~~ん!いっしょにかーーえろ!」 まただ。また呼んでる。毎回毎回放課後になるとこうやって俺を呼びつける。別にたいして仲がいいわけでもないのに。うるさい奴だ。正直言って俺はこの 玉原 心優(たまはら みゆう) という女にうんざりしている。それに今度一緒に映画館へ行こうと言ってくる。俺とお前はなんだ?カップルか?残念だが俺はあんたと付き合う気は全くない。なのに‥‥ ***** 「キャーー!!このマスコットかわいい~♡ ねえねえ、おそろで買おっ? あっ!!みてみて!このアイスめっちゃ美味しそう!こうくんかってよぉ~」 しんと静まる映画館に一人騒がしい奴がいる。まったく。こいつと一日中いると俺までおかしくなりそうだ。まぁ、こいつはいちよう学年でも知られてる美女だから無邪気に笑う顔はこんなふうに思う俺でも可愛く見えてしまう。 「オイオイ、そんなことより早く見ようぜ。見るんだろ?恋愛映画。」 「もーぅ!こうくんったらイジワルなんだからっ!マスコットだけ買っちゃうよ!笑」 そう言って俺とお揃いのマスコットをカバンにつけた 彼女をシアターに連れていかなければならなかった。 ***** 「やばい!まだ心臓ドキドキしてるー!!この映画よかったね?女の子も可愛かったし!」 「ああ!お前とは違って静かな女子だったな!」 「ちょっとそれはないって~!私は十分静かですぅ~」 そんな他愛ない会話をしているとき、映画館の火災ベルが鳴った。 たしかに所々火が見える。大騒ぎの中、避難をしろと指示する係員と一緒に俺たちは映画館を離れた。 「ふぅ~危なかったな?俺らもうちょっとで火事にあってたかもしれないしな。」 ふと、顔を上げると‥‥あいつが居なかった。 俺はすごい焦った。火事が終息するまで外を走り回って必死で探した。でも、見つからない。どうすればいいんだ‥‥‥近くにいた係員に事情を話して防火グッズを身につけ、火が燃え上がる映画館へと共に飛び込んだ。 映画館の中は消火された部分もあるが、やっぱり火は残っている。本当にこの中にあいつはいるのか。ふと、左側を向くとかなり炎が燃え上がっている。係員の大声で止める声も聞かずに、俺は全速力で炎の中を走った。 ***** 「浜尾さーん、検査が終わりましたのでこちらへどうぞ。」 そわそわしながら病室に入ると頭と手に包帯を巻いたあいつが居た。 俺の顔を見たとたん、 「こうくん‥大丈夫だった?ごめんねっ‥グスッ‥‥めっちゃ迷惑かけちゃったよね‥‥。 こうくんが無事でよかったぁ‥本当にっ‥グスッ‥よかった‥」 泣き出した。俺はホッとして 「どうしたんだよっ!?どうして急に居なくなったりした?! なんでなんだよ‥っ」 「ごめんねっ‥‥あのとき、小さい男の子が火に覆われてのを一瞬見て、、それで体が勝手に動いたのっ‥」 「だとしても!自分の身は自分で守れよっ!!俺がどんだけ心配したと思ってんだっ!?」 「‥‥‥‥」 沈黙が続いて耐えられなくなった俺は、映画館で買ってきたアイスを渡した。 「食べたいって言ったから買ってきた‥。元気になれば‥ってまあそんなわけだ。 欲しいって言ってたろ、心優?」 気づくと心優はまた泣いていた。 「どうしてっ‥?どうして‥そんなことされたら好きになっちゃうよぉ‥グスッ‥ それにっ‥初めて名前で呼んでくれた‥なんでっ?今までお前呼びだったのに‥‥ こうくんはずるいよ‥‥ほんとにっずるいよ‥‥」 「ごめん‥でも、今ならいくらでも呼べるよ。心優、好きだ。心から、好きだ。」 心優は目を丸くした。「ほんとにっ?」 「うん、ほんとだよ。こんなに優しい人は心優だけだよ。」そう言って俺は優しいキスをした。 心優の涙がアイスに溶けていった。 ‥‥‥‥‥‥✂‥‥‥‥‥‥‥✂ いかがでしたでしょうか! 最後は二人が結ばれてよかったです!笑 えー、ちなみに上記に出てくる主人公こうの正式名称は浜尾 浩介 (はまお こうすけ)です! よくある話になってしまいましたが、感想いただけると嬉しいです!
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
感動っ!
すごいですよーっ!以下、いいところと改善点です! いいところ! ・浩介くんの心の変化が分かりやすい!最初とは違う心優ちゃんへの思いが、読み手にひしひしと伝わってくるよー! ・全然よくある話じゃないですよ!なんか、いい意味で予想を裏切る展開だったので、最後まで読めちゃいます! 改善点! ・まず、近くにいた係員に事情を話しても、防火グッズは貸してもらえないと思いますよ!おそらく映画館の係員だと思いますので、お客さんは何がなんでも守らなければと思っているはずですから。 ・アイスを映画館で買ってきたというのに引っかかりました。映画館は燃えてしまったはずですし、そんな時間はなかったと思われます。買ったとしても火事の熱でアイスが溶けてしまいますし……。 浩介くん、心優ちゃん、お幸せにー!