小説~私が人生で1番後悔していること~
私は埼玉で子供たちのためにキャンプ場を経営しています。私が主催するキャンプしかやらないのですが。ある日、キャンプに来ていたふうかという子が私の所へこっそり相談に来ました。「もう、生きている意味が分からない」「生きている事に疲れてしまった」と。その子は明るく、知恵はすぐに吸収して、誰かが困っていたら率先して手を差し伸べるような面倒見の良い子でした。いつか、「ふうかが泣いた所、見たことある?」とふうかのお友達に聞いたことがあります。その答えは驚くものでした。「うんあるよ。結構涙もろいもん。でも、自分のために泣いた所は見たことない。いつも人の為だよ」また、こんな事も言っていました。「私がふうかの前で誘拐されたら追いかけてくれる?って聞いたことがあるの。他の子はどうかな?って言っていたけどふうかは即答したよ。もちろんって」私はこの言葉を聞いて涙が出ました。人間って不思議ですね。いつも人のために泣いていた人がこんな相談をするとは。誰もふうかが裏で涙を流しながらこんな相談をしているとは思わないでしょう。相談をされた私でさえ信じられません。私は自分の仕事部屋に通して話を聞きました。どうしてそんなことを思ったのか、と聞くと私はもうすぐ死ぬんだ、と答えました。嘘だと思いましたが本当のようです。病気だそうです。人生が嫌になったのもあるが、友達がみんな軽々しく「死ぬ」という言葉を使っているのを見て嫌になった、天国のもっと沢山生きていたかった方達に失礼じゃないかと言っていました。私は生まれて初めて真面目になんて答えたら良いのか分からなくなりました。最後は「その方達の為に死んではいけない。生きられるだけ生きるんだよ」と言って帰しました。今考えると私はなんて事をしてしまったんだろう、と後悔の気持ちしかありません。もっと話をきいてあげればよかった。違う答えはなかったのか、と。その子はあまり人に相談するたちではなかったのでSOSを出していたのです。このことから私はキャンプに来る子に「死ぬ」という言葉を使ってはいけない、と厳しく言っています。それが私の償いとなるからです。 これが私の人生で1番後悔したことです。残念ながらこの子はもうこの世にはいませんが、私は毎晩お祈りをしています。この子が亡くなってしまった日から毎晩。心が通じ合っていると思うのは私だけでしょうか。天国で楽しく過ごしているといいな。