君は誰?(短編小説・考察系小説)
私は歌音。鷹野高原という高原でね、旅館の女将をしているの。 私の母は、私が小さい頃に亡くなった。 父は…私を残し、どこかに行っちゃった。 今はお婆ちゃんと二人で切り盛りしているの。 ここはすごくいい場所なんだよ。 ある日のこと。旅館の裏のお墓の裏の倉庫に行くと、 一人の男の子がいたの。十歳くらい? 私は気になった。気になったけど、 ちょっと話に行くのが怖かったんだ。 「あ…あの…どうかしたの?」 「………」 無言でこちらを見つめてきた。 「旅館の中に入る?」 「………」 無言でこちらを見つめながら小さく頷いた。 「お婆ちゃん!男の子が倉庫の裏にいたの」 「あら?今日は休館日のはずなのに…どうかしたの?」 「僕、悠人っていうの。ここは僕の家だよ」 「僕の家を返してよ」 「あなたの…家?」 私は訳が分からなかった。 「ひ、ひとまず歌音。この子を客室に案内してちょうだい。」 「うん」 「ね、ねぇ」 「何?」 「あなた、どこから来たの?」 「ここから来たの」 会話が上手く成立しない。 「………」 「あなたの話を聞きたい。もう少し詳しく聞きたい。」 「じゃあ僕にお茶菓子をちょうだい?」 「じゃないと教えてあげない」 「は…はいはい」 「僕、ここの高原に住んでたんだよ。でもお前らに家を取られた」 「何言ってるの?ここは旅館!私はこの旅館の女将!」 「君こそ何を言っているのさ」 「僕ね、お母さんとお父さんと三人で暮らしてたの」 「でもある日突然家族がいなくなった」 「僕は独りになった」 「ねぇ」 「な、なによ」 「お母さんとお父さんのところに行きたい」 「ど、どこにいるのよ」 「分からない」 「君、ずいぶんとハイカラな着物着てるね」 「はい?この服はお母さんの形見ですけど…?」 「僕にはハイカラに見えるよ」 「倉庫の場所に戻りたい。」 「わ、分かったわよ!しょうがないわね」 倉庫の場所に戻ると、男の子は必死に何かを探していた。 「匂いがする」 そういいながら、見つけたものは… 「なにそれ。写真?」 「盗るな!」 「え?」 「この写真から何か分かる気がするんだ」 「何が分かるのよ」 「家族の…居場所が。」 写真には男の子と家族と思われる人が写っている でも、ボロボロになっていた 男の子は涙を流した 「僕をおいていかないでよ」 そういいながら、彼は私の方を向きながら目を閉じ うっすらと姿を消した。 この小説は考察したい人向けの考察系小説です! 会話の中から 男の子の正体、行方、色々と考察してみてください! 感想もお待ちしています!