恋はビターチョコレート味
「澪さまぁ~…」 私の名前は山野澪。 恋はしたいけどあまりいい人がいないので今は恋愛相談役。 今日イチの相談は同クラの依里菜ちゃん。 どうやら隣のクラスの遼河くんが好きらしくて… 「どーしよ私の親友の菜穂が遼河くんのこと好きらしくて…どーすればいいの澪さまぁ~…」 1番キツいパターン… 友達と好きな人が同じなのはキツすぎる… 「あらら…でも親友だからって譲るようなことはしちゃダメよ。遼河くんが違う人に渡ってもいいならいいけどね。良い?恋は戦争。争いよ。勝ったらよし、負けたら失恋。先攻の方が有利よ。頑張って告白したらいいんじゃない?」 依里菜ちゃんは少し黙って 「うん、澪ちゃんの言う通りだよね。恋は戦争。でも菜穂と別れるのはいや…好きな人を取られて恨まれたりしないかな」 「恨まれる可能性はゼロじゃないけど恨まれたらもう親友じゃないよね。恋は残酷よ。親友を取るか恋を取るか。」 「ううう…分かった。返事はさておき、頑張ってみる。また告白する時どうすればいいか相談しに来るね。ありがと!」 うん、やっぱり恋する乙女は可愛くて天然。 相手の言動に惑わされて悩んで悩みまくるその姿が可愛い。 私も恋したーい! キュンキュンすればするほど辛くなるけど。 お姉が言ってたけど恋はビターチョコレート味なんだって! ほろ苦い苦さに少し甘さがある。 その甘さを見つけた人が幸せになれるって! 席につこうとしたらまたもや恋相談が。 「ねぇ澪。話聞いてくれない?」 大親友の早紀だった。 何か重大なことが起こりそうな予感… 「なんで呼んだかというと…そのさ、彼氏が…他の女の子と…寄り添ってて…」 「!ほんと!?」 早紀の彼氏、陸真とは1年の片思いの末、早紀から告白してやっとのことで付き合えたカレカノ。 なのに…あり得ない。 「ちょっと早紀、話しに行くよ(怒)ちょっと来ー……」 「待って!」 手をギュッと掴まれる。 握力11の早紀とは思えない力だった。 「いいのっ… 私より好きな人ができたなら…私もいて、嫌なんだったら、もういい。やっぱり行かなくていいよ澪…」 「何言ってー…」 「いいのっ!」 力強い声。 早紀とは思えない。 「私は所詮独りよがりで、つまんない思いをさせてたの…陸真、体育の時にひっそり寄り添うほどその子のことが好きなんだよ…もういい。ごめんね澪…」 大丈夫と言う前に言いたくなかった言葉が出てきた。 「早紀は陸真のこと好きじゃないの!?何ですぐ諦めるの!?あんなに努力したのに…聞くだけ聞いてみても罪は無いって…早紀が聞かないなら私が聞く。あとひとつ。恋は戦争。取られても良いなら潔く諦めて。」 はっ。 な、なんてこと… 「ご、ごめん早紀…」 恐る恐る謝る。 早紀が顔を上にあげる。 「澪、ありがとう。そうだよね。聞くだけ聞いてみても良いよね。私暗く考えすぎなのかも。私こそごめんなさい。」 しっかり謝る、潔い早紀。 これは聞きに行くしか無いよね。 「行くよ早紀。まだ休み時間あるから。」 「うん!」 やっぱり恋する乙女は、単純で可愛い。 隣の隣のクラスに陸真はいる。 さすがに早紀から入るのはまずいと思うから私から。 「ちょっとー?陸真いる?」 「あ、いるよいる。おーい陸真」 「はいはい何?」 爽やかな笑顔。 早紀が惚れるのも当然だ。 「ちょっと来て。」 「え何?怖いんだけど」 とりあえず連れて行く。 人がいないところ。 「ねぇ陸真、あんた違う女の子が好きなの?早紀以外の。」 「!はぁ!?何言ってるの?!俺には早紀しかいないけど!」 「体育の時に寄り添ってたらしいけど?」 「あ、あれ?あれさー先生が男女で二人三脚しろって言うからしぶしぶやってたの。あとでクラスメートに聞いてみな?あれかーって言うから。」 早紀、良かったね。 まだ確定できないけど。 陸真が嘘をつかないのは知ってる。 「おーい早紀ー」 「!早紀いるの?!」 驚いた顔をする陸真。 ひっそり早紀が出てくる。 「さ、早紀ー……」 「りっくん。それほんと?」 りっくん。 早紀が呼ぶ、陸真のあだ名。 「うん。ほんと。騙されたと思って聞いてみな?全員揃えて二人三脚って言うから。」 にっこり早紀が笑う。 「よかった……」 ヘナヘナと座り込む。 「え、もしや早紀俺が浮気してると思ってたの?」 「…うん」 「わー早紀可愛い。気にしてたんだ。あ、チャイム。また後で。早紀じゃね!」 「良かったね早紀。」 きっと、早紀はビターチョコレートの甘い部分を見つけたのだろう。 長くなってすみません… コメントくださると嬉しいです。