今から文字は廃止です!
俺、橘(たちばな)かける、は今、どうしようもなく震えている。 なぜなら、自分の手に入れた力があまりにも強大であると言う事実に気づいたからだ。 なぜ、手に入れたかは長くなるし、カットで。 でも...、フッフッフ...。ああ!夢みたいじゃないか! 俺は親切なんで、どんな力か教えてやる。「消去」だ。なんでも、好きなものをひとつ、選んで消すことができるらしい。過去の嫌な記憶をみんなから消したり、テストなんて概念すらも消せる。さぁ~て、どうしよう。 ふと、横を見ると、手紙があった。忌まわしい記憶がよみがえる。これは...俺が書いたラブレターだ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 今日、いつ渡そうかと手紙とにらめっこしていると、 「おい、かける、何持ってんだ?見せてみろよ。」 「あ!」 「ん?これ、桜井への手紙?まさか、ラブレターかよ!うっわ~男子がラブレターとかだっさ!」 「返せ!」 ばっと奪い返し、視線をあげると、扉の側に立つ桜井と目があった。 「あ...。」 声をかける間もなく、桜井は若干顔を赤くしてかけていった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 結局わたせなかった...。あ!そうだ。いっそのこと文字を消してしまおう!というわけで、早速実行。 みんな困ってるな~(笑)概念までは消さなかったから、突然文字が読めなくなったって感じだろう。 これからは、ノートとったりしないし、テストも話すだけだし、いい世の中になった! あ!桜井だ。なんか妙にうろたえてないか? 「!橘君!き、急に文字が読めなく...。」 「ああ。それ俺がやったんだぜ!すごいだろ?」 「!」 走って行っちまった...。てっきり「凄い!」って言ってくれると思ったんだが? あ。そこで足元に手紙が落ちているのに気づいた。桜井も誰かに手紙を渡そうとしてたのか。彼女らしいかわいい封筒だ。 ...もしかして、これラブレターか?相手に渡らなくてよかった。間一髪だったな!どうせなら、中も見てやれ。 ...俺も読めないのか。つまんねー。俺は罪悪感を覚えつつ、手紙を捨てた。もう、いいか。飽きたし、しばらくしたら戻そう。 キキッーー!! あ。あるあるだ。死んだ。転生とかすんのかな。あ、文字戻すの忘れた。 意外とくだらないこと考える時間あるな。という発見とともに俺の人生は幕を引いた。 ??「あいつ馬鹿だよな~。さっさと戻せばよかったのに。もったいない。文字は俺が責任もって戻したけどさ~。」 ??は手の中のものをひらひらとさせた。桜井の手紙。 宛名は「橘君へ」。中には一言、「私も好きです。」