ねがいごと
「短冊に願い事を書いてきてください」 期限は今日中、そんな無理な話あるか、と思った。 手には手のひらくらいのサイズの短冊。雨が降っていることもあり、昼休みの教室はやけに賑やかだった。それに加えてムシムシした心地の悪い暑さ。この教室だけ、どういうわけかクーラーが壊れていて効いていないのだ。そのせいか上手く頭が回らない。短冊は未だ白紙のままだった。 短冊を机に置き、シャーペンを持って考える。何か書こうと芯を出して、思いつかなくて引っ込める。そのままペン回しをしようとして、シャーペンを落とした。 こんなの適当に何か書いとけばいいのにな。 どうにも真面目な部分が邪魔をして、適当なことが書けない。 「願い事」が思いつかない。 背を伸ばしたいだとか、可愛くなりたいとか、お金が欲しいとか、あの人を振り向かせたいとか、そんなことは思いつく。でもそれを書くのはちょっとありきたりすぎる気がした。かといってギャグセンスもないので、面白いことが書けるわけでもない。 「願い事」がない。 でも他人のために願い事を使う気にはなれなかった。別に減るものでもないのに、「みんなの願いが叶いますように」とか書くのは、野暮な気がして気が進まない。 茹だるような暑さが頭にまとわりついているようだった。周りの騒がしい声が、わんわんと頭に反響していた。シャーペンは未だ何も書き出そうとしてくれない。短冊は、白紙。 そうだ。 今にも暑さで茹で上がりそうな教室の中で、思いつく。 シャーペンは今までの様子が嘘のようにさっさと文を書き出していった。 「早くクーラーが直りますように」 願い事。 早くこのムシムシした暑さから解放されることが、何よりも切実な私のねがいごと。
みんなの答え
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ちょっと笑ってしまった クーラーか。
面白いですwwwっっw
おお!
あなたの文章、とても好きです! 何気ない日常の風景が、とても読みやすく面白く書けていました!