ツンデレが恋をした。
これは、ツンデレの恋のお話___。 私は池田文乃(あやの)。中学2年生。 今日はクラスの女子と、放課後の公園で話している。 クラスの女子・心恋(ここ)がクラスの女子全員誘って、自分の好きな人を言い、取られないようにするという計画を立てている。私は心恋のノートを見てしまったから。 「私は、片倉先輩!イケメンで、女子に優しいし!」「心恋なら落とせるよー」「ありがとー!」 心恋は1つ年上の片倉羽流樹(はるき)にアプローチ中。 「池田さんは好きな人いる?」「…」 黙るのが1番だな、これは。 「いるんだー」「でも池田さん地味だし、絶対フラれるよー」「そーだよねー」 そうだよね、…あいつが私の事、好きなわけないよね。 私には秘密がある。 1つ目は私が子役・石原彩友(あゆ)という事。 知っているのは両親だけ。学校では地味で、誰も気付かない。 2つ目は、1つ年上の片倉羽流樹の幼馴染みという事。 羽流樹の母は忙しいから、大体は私の家にいる。 羽流樹は私の初恋の人だ。告白したいけど…恥ずかしくて、素直になれない。 「ただいまー」「おかえり、文乃!」「抱きつくのやめてよっ、何度も言ってるでしょ」「はいはい。…ねえ文乃、好きな人いる?」「!?…いるけど」「ふーん」 羽流樹は好きな人、いるのかな…?羽流樹、いつもより機嫌が悪い。どうしたのかな? 今日の番組撮影、終わったー。キツかったな。 あれ、1つの控え室の名前に角野晴翔(はると)様、と書かれている。珍しいな。確か子役で、私の1つ年上だっけ。 誰かに似てるんだよね。ん、羽流樹…? 「晴翔さん、お疲れ様でしたー」 え、晴翔さんは羽流樹!?まさか…。逃げなきゃ! 「文乃?」 わー! 家。 「石原彩友は文乃、角野晴翔は俺だって事か」「羽流樹…ごめんなさい」「俺は文乃の母さんから聞いてたから、俺の方がごめん。で…何で芸能界に入ろうと思ったんだ?」「小学校の頃、いじめられてたから。その時お母さんに勧められて。息苦しさが飛んでいっちゃった。楽しくて、ハマったの」「あの時期だったのか。俺は…」 羽流樹の顔が赤い。どうしたのかな? 「石原彩友___文乃に近付きたくて…す、好きだから」 え、羽流樹が私の事を好き?…いやいや、あり得ない。 「好きです、文乃。付き合って下さい」 冗談だろう。いつもみたいな。 「…ねえ冗談でしょ、羽流樹」「冗談じゃない。…本気だ」 羽流樹の真剣な瞳。 私は時々見せる、いつもの雰囲気と違ったその瞳が、大好きだ。 「いいよ」「…嫌がってる?」「私の方が大好きだし。…って、言わせないでよ、バカ!」「(ボソッ)文乃はツンデレ」「何か言ったでしょ。つ…何?」「教えないー」「ちょ、教えてよー!」 ツンツンしてるけど、デレるととっても可愛い。 そんなツンデレの恋のお話でした。