幸せと私。
「…あれ、私今日笑ったっけ。」 いつからだろう、こんなに毎日が苦痛になったのは。 いつまでだったんだろう、あんなに毎日が楽しかったのは。 教室の中でクラスメートの笑い声が響く。 そんな私を沈ませる音を聞き流すこともできず、一人侘しく黙々とペンを進ませる。 きっと笑っているあの子たちは、楽しさで溢れているんだろうな。 授業中は居眠りばかりで休み時間もろくに勉強していないのに、なんであの子たちはこんなに幸せそうなの? 私、こんなに頑張ってるんだよ。 あの子たちと違って、ずっと頑張ってきた。 それなのに。 あの子たちはなんてことない日々に、幸せを見つけ、掴んでいるの? 毎日淡々と繰り返される日々に幸せなんてあったかな。 私、見つけられそうにないよ。 彼女たちの周りはまあるく楽しげな空気で満ちていて、悔しいけれどそれはとても羨ましいものだった。 私の周りには今、何が見えるんだろう。 そんな考えにふけり、情けない足音をたてながら道路の端を歩く。 「…ただいまー」 玄関を開けて、今では当たり前になり、気持ちを溶かすこともなくなった言葉を口にする。 鞄を置いてリビングに行くと、母と目が合った。 そして母は柔らかく微笑み、私の目を見つめこう言った。 『お疲れさま。』 私も母の目を同じように見つめ返す。 視界がはっきりしないのは、きっとこのどうしようもなく溢れてくる涙のせいだ。 母は何も言わず、そっと私を抱きしめてくれた。 「…あぁ、これが幸せなんだ。」 静かな声でそっと呟く。 『ん?なんか言った?』 「…ううん、何にも。」 母の胸に顔を埋める私はそのとき、久しぶりに心からの笑みを浮かべていた。 ~Fin ~ 読んでくれてありがとう。 まだまだ読みにくい部分はあると思いますが、気軽に感想送ってくれると嬉しいです!