藤棚の猫面少女
『ほら、おいでよ…』 夢の中で、私の目の前には黒い猫面で顔を隠し真紅のワンピースを着ている少女が立っていた。 人気のない道端で、少女は私の手を引いた。 黒い猫面の奥で、少女が意味深に…ニヤリと笑ったのが分かった。 少女は、私の手を引きながら近くに立つ古びた木製の扉を開いた。 その瞬間、ふわりと私にも優しく甘い、花の様な匂いが漂って来た。 その優しい香りを胸いっぱいに吸い込み、私は扉がつなぐ先へ入った。 そこで目が覚めた。 私はすっかり自分の家の、ピンクのベッドに横になっているつもりだったのだが、どうにも固い。 それに、薄茶の地面には薄紫…藤色の小さな花びらが沢山落ちていた。 もしや。 慌てて身を起こし立ち上がると、そこは藤の花が藤棚いっぱいに咲き乱れていた。 その、甘い香りを漂わせる美しい藤棚は私が見える範囲一面に広がっていた。 そして、空は雲一つなく晴れ渡っていた。 「目が覚めた様だね」 声がした。 この声は…まさか。 とっさに振り返ると、私の背後には夢の中に出てきた黒い猫面の少女が立っていた。 「綺麗だろう?此処はお前が作り出した空想の世界だよ」 普通なら気になるのだろうが、私は猫面の少女が何故ここにいるのかは聞かなかった。 本能的に、聞かない方が良いと判断したのかもしれない。 「…じゃあ、此処も夢の中ってこと?」 「いや、これは現実さ。お前が考えた空想が、生まれてしまったんだよ。 良いかい?元の場所に戻る方法を教えてあげるよ」 私が、本当?と顔を輝かせると、少女はふふふと笑った後に言った。 「あそこにある小川を渡るんだ。それだけだよ」 小川…? 私が辺りを見回すと、藤棚の隅に小川が見えた。 すぐに駆け寄ると、藤棚と藤棚の狭間に流れている様だ。 それにしても綺麗な小川。 水は透き通り、藤の花びらがふよふよと浮かんでいる。 そして不思議なことに、そこは昼間なのに蛍がぼんやりと青く、幻想的に光っていた。 「…綺麗」 「そこを渡りな」 気がつくとまたもや私の後ろに猫面少女が立っていた。 私は少女に頷きかけ、透き通った美しい小川を飛び越えた。 その瞬間、私の意識は藤の花の香りと同様、段々薄くなっていった。 その後、藤の花の世界に入り込んだ少女を見たものはいない。 誰もいなくなった藤の園で猫面少女は面を外し、くくくと笑った。 少女の目は紅色に、冷たい気迫を帯びながら鋭く光っている。 「まんまと嘘に引っかかるものだね。 彼岸…死者の世界でせいぜい楽しむと良いよ」 そして少女は藤の幹に手を触れて呟く。 「さぁて、次は誰にしようかねぇ…」 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんにちは、作者のあおねこです! 読みにくかったらすみません! 感想頂けると嬉しいです(^^) では!
みんなの答え
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ああああぐっじょぶ!
ぐっじょぶ。
ええ・・
話がワンパターンなので、もっとバリエーションを増やしましょう。話が少し早いです。