夏の恋する少女譚。
「やっぱり、無理だとは思うよ?」 ある夏の日の昼下がり。 私、彩坂亜梨沙(あやさかありさ)の親友である朱寧(あかね)はそう言った。 蛍光ペンの様に眩しい日差しの下、片思い中の私は朱寧に恋愛相談中なのだ。 「…そうだよね~。」 はぁ、と息をつき、私は頷く。 私が今好きな相手は、同クラスの高梨くん。 容姿端麗で、運動神経も良い。 そんな彼はもちろんモテる。 今はクラスの明るい系女子の向葵(あおい)との噂が立っている。 「向葵には敵わないと思うよ?多分両思いっぽいし」 朱寧は本当のことを淡々と述べた。 分かっている。 私が向葵とは容姿を含め比べものにならないくらい劣っているということなんて。 私は、冷静な朱寧に尋ねた。 「告白しても望みはないよね。アッサリ振られて終わり…だよね?」 朱寧は頷いた。 「まぁ、そうなるかな。あたしには高梨くんの気持ちなんて分からないけど。」 「うん…」 「まぁ、頑張ってみたら?ちょっとは望みあるかもだし、伝えずに後悔するよりはスッキリすると思う。 でも、向葵が高梨くん好きなのはほぼ確定だから、告るのに先客はいるかもね」 さすが恋愛経験豊富な朱寧。 言うことが的確だ。 「ありがと…、ごめんね?いきなり呼んじゃって」 「ううん、良いの良いの!応援してるから。頑張んなよ、亜梨沙」 「うん!」 まだ、私たちの学校は夏休みではない。 今日は休日だったが、明日からはまた登校だ。 告白なんてまだ出来ないけど、頑張ろう。 そう思い、私は手にしていたペットボトルの残り少ない水を一気に飲み干した。 翌日。 教室に入ると高梨くんは向葵と話していた。 やっぱり、仲良いのかな。 なんでだろう、分かっていたのに少し心が痛む。 その二人の会話内容は聞こえないけれど、聞く気にもなれなかった。 やっぱり私には、高嶺の花なんだ…。 それから、一週間。 自分は高梨くんのことが好きだと自覚してから二ヶ月。 そして、朱寧に相談してから二週間が経った。 あと一週間で夏休みが始まり学校では会えなくなるのに、発展ゼロ。 まぁ当たり前だよね… 私は恋愛経験0なんだから。 恋が叶う筈ない。 それからも発展はなし。 話しかけることも叶わずに、時間だけが過ぎていく。 そんなある日。 夏休み前最終日の放課後。 私は本を借りに図書室にいた。 もうみんな借りたのだろう、ほぼ人はいない。 いても、他の学年やクラスの人だけだ。 「はぁ…」 憂鬱になり、ため息ももらしたその時。 「…彩坂?」 「!?」 まさか、この声。 「高梨くん!?な、なんで?」 「声大きい。…本見に来ただけ」 凄い偶然だ。 恋愛漫画だとこの後にヒロインが『踊り場まで来て!』と伝えて告白するパターンだ。 でも、これは現実。 そんなことは出来ない。 だから、聞きたいことだけを聞く。 近くに人がいないのを確認してから。 「向葵のこと好きなの…?」 高梨くんが目を丸くする。 やっぱり、好き…なのか。 そう思い少し悲しくなったが、高梨くんは首を振った。 「そんな訳ないだろ。席が近かったからよく話してただけ。なんか噂がたってたけど、俺は小町に恋愛感情は抱いていない」 「…そ、そう…なんだ」 なんでだろう、安心した。 まぁ、いくらそうでも他に好きな人がいる筈。 私の恋は、叶うはずがない。 そんなことを自分に言い聞かせていた時、高梨くんは少し離れた場所でこう言った。 「噂は本当になりやすい。」 そして…小さな声でこう続けたのだ。 「でも、本当になるなら、…彩坂とが良かった」 え。 まさか。 「え、えっと…高梨くん、今のって」 私と、両思いの噂に…? 「!!」 高梨くんはハッとして、慌ててこう続けた。 「べ、別に彩坂がす…っ、か、勘違いするなよ!?じゃ、じゃあな!」 いつの間にか私と高梨くん以外誰もいなくなっていた図書室のドアの前に立った高梨くんは、最後にこう言った。 「でも、彩坂のこと…嫌いじゃないから」 そして一人になった図書室に、私は立ち尽くす。 高梨くんは、本当に本当に、もしかしたら…。 すると、ほんのり暖かい風が窓から吹いてきて心まで暖かくなり、私は思わず微笑む。 夏休み明け、また高梨くんに会える日がなんだかとても楽しみになった気がした。 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんにちは、作者のあおねこです! 恋愛ものを書いてみましたが長文ですね…。 読みにくかったらごめんなさい! 感想やアドバイス(辛口はお控え下さい)頂けると嬉しいです。 では!
みんなの答え
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この前よりかはいいと思う
この前よりかはいいと思いました。個人の意見ですが、最後、ハッピーエンドで終わるのか失恋して終わるのか表してほしかったですね。 次回も見ます。 では。さようなら。
こんにちは!
こんにちは。毎回読ませてもらっています、紅丸LOVEです。今回もとてもよかったです。 <うーんと思ったこと> ・朱ねは亜梨沙を応援しているのに、最初突き放した様な態度だった ・高梨が向葵を好きじゃないといったのに、亜梨沙はそこまで驚いてなかった <さすがだと思ったこと> ・分かりやすい・読みやすい ・あえて付き合わないのがいい! 偉そうに言ってますが、尊敬しています。次を楽しみにしています!
めっちゃいいと思う
(*’ω’ノノ゙☆パチパチ めちゃくちゃいいと思いますぅー 私もそんな恋愛してみたぁーーーいなぁー(ないと思うけど笑) 名作だと思うけどなぁ\(^_^)(^_^)/