大輪の向日葵は、私だけを見てくれない
『君は太陽のような女性だね。僕は大輪の向日葵になって、君を見つめつづけるよ!』 そうやって私に笑いかけたあなたは、いつからいなくなったんだっけ。 あの日は、あなたがお弁当を忘れたから、届けに行っただけ。 でもあなたは、他の女の人とランチを食べていたよね。 にこやかに喋って、楽しそうに笑って。私と夕食を食べるときはいつも、黙ってニュースを見ているだけなのに。 ただの会社の人って信じたかった。 帰ってきたあなたに、 「お弁当忘れて行ったけど、大丈夫だった?」 って聞いて、返ってきた答え。覚えてる? 「コンビニ弁当食べたから」 って、嘘ついたよね。 決定的だったのは、あなたが出張って言って出かけて行ったとき。 久しぶりに一人だから、洋服でも買おうと思ってショッピングモールに行った。 そこには、出張のはずのあなたと、あの女の人がいた。 この間のように楽しそうにしていた。あなたは彼女に、可愛らしいワンピースを買ってあげていた。 私に洋服なんて、買ってくれたことあった? それから何回か浮気現場を見てしまったけど、堪えてた。 ……でも、もう無理。 そんな決断をした昨日を思い出しながら、あなたへの最後の言葉を綴る。 あなたへ 今までありがとうございました。あなたと暮らせて幸せでした。 浮気をされていたのは知っていたのですが、堪えられなくなったので、もう別れてもらいたいです。 勝手にごめんなさい。 離婚届、私の欄は記入をしたので、あとはあなたが出してください。 任せてしまってごめんなさい。 結婚指輪は置いていきます。申し訳ありませんが処分をお願いします。 お相手の方と幸せに暮らしてください。 最後に自分の名前を綴って、記入済みの離婚届の上に重ねる。 彼の苗字を使ったことに気づき、折角慣れたのにな、と思った。 結婚指輪を見ると、記憶の中の指輪より遥かにくすんでいた。長い間一緒にいたことを、改めて知る。 …何が駄目だったのだろう。 ため息をつきながらそれを外して、ペーパーウェイトのかわりに、二枚の紙の上に置いた。 ―――昔、向日葵と太陽について調べたことがある。 向日葵が太陽を見つめつづけるのは、花が咲くまで。 花が咲き誇れば東を向いてしまう。 太陽は変わらず照らしつづけてくれるのに、そっぽを向いてしまうのだ。 同じページに、大輪の向日葵の、花言葉も書いてあった。 『偽りの愛』 今思うと、あなたにぴったりなのかな。 …偽りでも、愛をくれてありがとう。 さようなら。 END 読んでくださりありがとうございます。楽しんでいただけたら幸いです。 花言葉をモチーフに小説を書くのが一つの夢だったので、書いてみました。 行間をあけてみたのですが、いかかでしょうか…? 感想やアドバイス、お待ちしてます。喜んで読みます!
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複雑なキモチ
浮気するなんてひどいです!でも,ぴったりの人と出会えて嬉しいような複雑な気持ちです。