夜空の下で。
キィキィと耳障りな音が鳴る。僕はゴミ捨て場にあった古びた大人用の自転車に乗って逃げていた。小柄な僕にとって自転車は大きすぎた。爪先で立ち漕ぎだ。痛い、降りたい。でもーーそれは叶わぬ願い。僕に帰る場所なんてないのだから。 眠い…空はもう真っ暗だ。星も月もなにも見えない。 どこに行くかも決まっていないのに、『あの場所』から逃げないと… 脳裏に『あの人』の姿がチラつく。『あの人』は僕に何度も暴力を振るった。このままじゃ…殺される。前まで優しかったお母さん。お父さんが亡くなって、変わってしまった。 「…痛っ」 転んでしまった。ジクジクと膝が痛む。血が出ていた。 涙を必死に堪えた。 「大丈夫?」 顔を上げると、女性が立っていた。中学生か高校生くらいだろうか。 「立てる?」 頷いて立った。 「あらそんな怪我しちゃって…うちに来なさい。手当てしてあげる」 「でも…」 「いいから。おいで」 女性は自転車を手に取って歩き出した。 **** 「入って」 ものの五分で着いた。小さなマンションに階段を登ると女性の家だった。 「ただいま」 誰かいるのだろうか、と思ったが部屋は真っ暗だった。 パチ、パチと灯りが灯る。部屋は一人暮らしくらいのサイズ感だった。 「そこ座って」 椅子にちょこんと腰かけると、女性は微笑みながら救急セットを取ってきた。 「ちょっとしみるよ」 膝の擦り剥いた所に消毒液が染みる。痛いけれど、『あの人』からの暴力より全然痛くなかった。 彼女は絆創膏を貼りながら、「私、菜美(なみ)。きみは?」と言った。 「湊(みなと)。小学3年生。菜美ちゃんは?」 「大学2年生」 「え?高校生かと思った」 「あら、お世辞?」 「ほんとだよ」 「えぇ」と言いながら菜美ちゃんは救急セットをしまった。 「湊くん、お腹空いてる?」 空いていない、と言おうとしたが、グーっとお腹が鳴った。この三日間、ご飯が出なかったのだ。学校も行かせてもらえなかったし、家出して2日間、公園の水道水で乗り切っていた。 「空いてるじゃん。ちょっと待って、今簡単なの作るから」 「でも…」 「私もご飯食べないとだし。テレビでも見て待ってて」 テレビでは『ちびまる子ちゃん』がやっていた。最後見たのは年中の時だ。あの時はまだ、お父さんが生きていた。三十分くらい経つと美味しそうな匂いがした。 テーブルには湯気を立てる肉野菜炒めと、白米、味噌汁があった。出来立てのご飯、手作りご飯なんていつぶりだろう。 早速食卓について食べる。そのご飯は、今まで生きた中で一番美味しくて、幸せだった。 ーーーーーー くりです♪ 感想待ってます
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これはすごい!
是非みんなに読んでほしい小説ですねっ♪
わーいい!
菜美ちゃん神やん!w え、まじで素敵すぎん??
めっちゃよきよき(*´▽`*)最高☆
のおっ!こんちゃ☆秋菜だよー♪ 今回も小説めっちゃよきよき(*´▽`*) 家族の愛を失ったいた男の子が心優しいお姉さんと会う…最高じゃないですか! キャラクターもいいしほっこりしました!最初は怖いかな?って思ってたけど めっちゃいい話じゃんっ!(泣) これからも自分のペースで頑張ってください!応援してます♪ q(*・ω・*)pファイト!
好きです!
今回も最高です! みなとかわいそうだった… 菜美に会えてよかった! 菜美と一緒なら、幸せになれるんじゃないかな? 神でした! また読みます!応援してます!
うわ…良いわ…
始まりは怖い感じだったんですが、お姉さんができたあたりからほのぼのになって良いなって思いました。 この設定だと「母親との話」を掘り下げるのが一般的だと思うし、その方が設定を生かしきれる気もするけど…でも私はこのお話が好きです。 あとなんと言ってもキャラクターが良いですね!なんか!平和!(語彙力) このキャラクターだからこその、このほのぼのさなんだろうなぁと思いました。 素敵なお話ありがとうございました♪