「恋の領域」
「恋の領域」 私が初めて恋した人は 人ではなかった…。 「お祖母さん、この人形なに?」 市川未央李は、偶然倉庫で見つけた 男の子の人形を見せた。 「あぁ、それはね…。」 お祖母さんは懐かしそうにそれを見つめる。 これは、今から50年程前の話。 「お祖母様!雪です!雪が降っています!」 子供の頃、病弱だった私は 窓から外を眺めるのが好きだった。 病気の影響で 友達などはできなかったが それだけでとても楽しい気分になった。 「そうですねぇ。維花(ゆいか) でも、寒さは身体にさわりますよ。」 お祖母様は、ニコニコしながら言った。 「はぁーい。わかりましたぁー。」 私は、そう返事して寝間に向かった。 ふと床に目をやった 見慣れない人形が置いてあったからだ。 「何でしょうか…これ。」 その人形は 豪華な着物が着せてあり 髪が短かったので 男の子のように見えた。 「ゆ…い…と?」 着物に 縫い付けてある名前を読んだ。 「あなたは維鳥(ゆいと)っていうの?」 私は喋らないはずの人形に話しかけた。 「私は維花っていうんですよ。」 そう言うと 人形がニコリと笑ったような気がした。 その後にフラフラしたような感覚になって そこから意識が途切れた。 「おーい。維花!」 気がつくと 知らない男の子が私の目の前にいた。 「だ…誰?」 男の子は 『あっ、そうか』 と言って話を続けた。 「僕は維鳥。さっきの人形の維鳥だよ。」 そう言われて改めて見ると 確かにあの人形にそっくりだった。 「で…維鳥…さんはどうして人形が人間に?」 そう質問した私に反応するかのように 『どうしてかなー?』と言っている。 「維…鳥さん」 『くんでいいよ』 と言いながらニコニコ笑う維鳥くんに 何か…ドキドキしたものを感じた。 「維鳥くん… 私、こんなこと今まで感じたことない。」 不思議な顔をして維鳥くんが私の顔を見る。 「私…私ね」 「維鳥くんが…好きみたい」 「え…」 一瞬驚いた顔をして彼は続けた。 「ごめん…」 「僕は、人間じゃないんだ だから君とずっとはいられない…だから」 「維花…生きていて…ずっと」 「維鳥…くん?」 気がつくと、維鳥くんの姿はなく 代わりに維鳥くんが居たはずの 場所に人形が落ちていた。 後で分かったことだが 私が見た人形は 『身代わり人形』と言って 疫病などから 守ってくれる人形なんだそうだ。 維鳥くんはもう 人間にはならなかったけど 私の初恋は人ではなかったけど 人間の領域を超えて恋をするって こんな感じなんだと実感した。 維鳥くんが教えてくれたこと それは 『人との接し方』かな? 今はただ、そう思うだけ…。 元ミライの ハルカです(ΦωΦ) 「恋の領域」 いかがだったでしょうか?
みんなの答え
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人形!
こんにちは。まるもっこです=(^.^)= 今回も新しい目線ですね! 人形に恋をしてしまうなんて少し切ない、、、 その切なさもありつつホワホワするような 温かい感じも出しててバランスがとれてるなと思いました。 最初の部分にグイッと引き寄せられて なんだろなんだろ!って気になりました! 読者をひきつける力がある人は尊敬します! 今回もハルカさんの個性が出ている作品で 面白く楽しく読めました! それでは~( ´ ▽ ` )ノ
全体的に好き
名前のセンスや構成がめちゃくちゃ好きです。 最初、主人公は未央李ちゃんかと思ったけれど、読み進めていくと、そのお祖母さんの少女時代の話だと知ってびっくりしました。 ホンワカするお話でした。
ハルカちゃんっ!めっちゃよきよき!
のおっ!こんちゃ☆秋菜だよー♪ ハルカちゃんっ!めっちゃよきよき(*´▽`*) しかもめっちゃいい話♪ 人形代わりになってくれるなんて…どんだけやさしいんだぁ!!! 素敵すぎるでしょ!? 神ですかぁ? 題名からしていいよね。 これからも自分のペースで頑張って♪ 応援してるっ☆ じゃ、ばいちゃ☆