短編小説みんなの答え:4

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私には好きな人がいる。 同じクラスの彼だ。 名前は小川そら。そら、は夏空と書く。 勉強や運動は少し不器用だけど、イラストを描くのがとても上手い。そして何より、優しい。 中学に入学して2週間くらい経った頃、日直は放課後に掲示物のプリントを外しておいて、と先生に頼まれた。 断る理由はなかったので、授業が終わってから、プリントを外そうとしたけど、上の画鋲まで手が届かなかった。 そんな私を見かねたのか、彼は 「ちょっといい?」 と言い、少し背伸びしただけで簡単に画鋲を外してプリントを渡してくれた。 画鋲も渡してくれてよかったのに、危ないから、ってわざわざ自分で先生の所まで持っていこうとしてくれたんだ。 教科書を鞄にしまう途中だったのに。私なんか無視しておけばもう帰るだけだったのに。 さすがに申し訳ないなと思って付いて行ったときに見たその後ろ姿は私にとってすごくかっこよく感じた。 それから、小川くんと目があうたびに視線を逸らしてしまうようになった。 でもまた、彼が別の方向を向いたときにもう一度見つめてしまって。 そんな感情を抱いたことは初めてだったけど、きっと恋だと思った。 この気持ちに気づいてしまってから、私は彼に積極的に話しかけに__行けたらよかったんだけど。 あいにく内気なもので。小川くんがクラスメイトと喋っているのを、自分の席でそっと横目に見るのが精一杯だった。 少しだけ声も聞こえてくる。 「夏空はさ、」 ふぅん、他の人は、彼のことを下の名前で読んでいるんだ…… 羨ましい、ずるいなんて思いが自分の中にあることにびっくりした。 でも小川くんが話しかけてきてくれた日は嬉しくて、日記なんてつけた事ないのに、 それっぽくカレンダー手帳にその日の会話の内容を書いたりした。 手帳を眺めているだけで、部屋で一人ニヤついたりもして。 そんな日々が続き、十一月も半分を過ぎる。 後期は何故か彼と同じ図書委員会になることができたので良かった。 同じ係として活動できて本当に嬉しかった。 四クラスでの仕事、うちのクラスは月曜日と金曜日の昼休みが図書室のカウンター当番の日だ。 いつもなら、週一のはずの仕事が週二になるのは嫌だけど、彼と一緒だから逆にありがたい。 ただ、新学年のクラス替えまで小川くんと学校で会えるのは、残り三ヶ月分、もないかもしれない。 そんなことに今更思い当たった。 もしかしたら来年クラスが別になってしまうかも、と考えるとどうしてか悲しくて、辛くて。 ということで、休日の間に髪を切った。 ポニーテールを解くとロングくらいの長さがあった髪を、ショートボブに。 彼に気付いてほしくて。少しでも私のことを気にかけてほしくて。 私にはこれくらいのアピール方法しか考えつかなかったんだ。 登校する。少し首元がひんやりする。結んでいたときも首は隠れていなかったはずなのに。 教室に入ると数人の子に、髪の毛切ったね、と言われた。 小川くんには何も言われなかった。 現実はそんなに上手くいかないよね。自分勝手だけど、なんか悲しいな。 昼休み、当番なので図書室へ行く。 休日の分は皆読むのに時間がかかる本を借りていくので、週明けは利用者が少ない。 小川くんと二人、カウンターで何もせず並んで立っているのも今日は居心地が悪い。 「ねぇ」 不意に隣から声をかけられる。横を向く。 「朝からずっと思ってたけどさ、髪、切ったよね」 と、小川くんは手でチョキを作って髪を切る真似をしていた。 「ん、うん」 「僕はずっとロングが好きだったんだけど、君を見て、短いのも可愛いって思った。めっちゃ似合う」 似合うって言われた?……可愛い? 「小川くんも、かっこいいよ?」 何を口走ったんだ自分。これを伝えられたのは何よりだけど。 「呼び捨てでいいよ。夏空って」 かっこいいじゃなくてそっち?じゃあいっそ、 「分かった、私のことも下の名前で呼んでもらっていい?」 「うん」 「そうだ、えっと、夏空、」 続きは言えなかった。誰かが走ってくる音がして図書室の扉が開く。 「本返却します!」 今日初めてのお客さんだ。 小川くん、もとい夏空と顔を見合わせ、なぜか笑う。 本のバーコードを読み取る夏空の横顔をしっかり見つめながら、 私がいつか本当に伝えたい想いも伝えられたらいいな、できれば真っ直ぐ顔を見て。 そう思った。 ______________________ 女の子目線の小説を書いたのは初めてな気がします、1054です。 読んでくださってありがとうございました。

みんなの答え

辛口の答え

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キュン死したぁぁぁぁぁぁっ(汚い高音)

琴理コトリです この話を読んでいたらキウイさんと同じで 『現実世界か?これ』 と思いました  キュン死する話ありがとうございました では


面白いよ!

キュンキュンでした~笑 現実っぽくてとても良かったです! 次回作楽しみにしてます。


んー可愛っ

こんにちは! ましろです(*´∀`) この女の子の青春感凄い(笑) 恋に悩む女の子って可愛いですよね! そんな悩みが読んでる私にも伝わってきて、私まで「突撃だっ!」とか「早く気づきなさい!」とか熱くなってしまいました(笑) もうホントにこの子達は両片思い的なものであってほしいと思います(´`*) 改行のタイミング良いし文章もまとまっててとても読みやすかったです! 可愛い小説ありがとうございました!


恋による変化

恋したことで起こる些細な変化が、とても美しく描かれているなぁと思いました!青春の恋愛らしいピュアな気持ちが伝わってきて、楽しく読ませていただきました(´∀`*) あと、空白の使い方が上手いなと…尊敬します…! 素敵なお話ありがとうございました♪


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