短編小説みんなの答え:1

愛情表現下手なだけ、

仕事を終えてクタクタになりながら帰路に着く。とっくに時計の針はてっぺんを超えている。 やっとの思いで家に着く。ドアを開けると、自分のではない、でも見覚えのある靴があった。 「颯のだ。」 誰の靴なんて割り出すのは簡単だった。合鍵を渡してある彼氏・颯のに決まってる。 仕事場は一緒だけど、最近喋ってなかったから、嬉しいながらも、早く寝たい私は、若干めんどくさく思ってしまった。 それでも、夜中に来るということは何か言いたいことがあるのだろう。 私は急いでリビングに向かった。 リビングのドアを開けると颯がいた。でも、いつもの天真爛漫な笑顔の颯ではなく、不安に揺れた目をしている颯だった。 「どうしたの?私、何かした?」 「した。」 「何した?」 「綾人とずっとイチャイチャしてた。」 は?綾人は私の幼馴染で今でも仲がいい。趣味が一緒なこともあり、喋り出すと長話になってしまうのは常だ。でも、それは颯も知っているはず。ましてやイチャイチャなんて。 「颯?イチャイチャなんてしてないよ?」 「でも、係長が『あの二人は付き合ってるらしいねぇ。』って言ってた。」 「、、っはぁ?」 ふざけんなって言うとこだったけど、本気で颯が不安そうにしてるから出掛けた言葉を飲み込んだ。 こういうときに慣れてない私は、どうすればいいか分からなくて、ただ颯の傍に行って颯の頭を撫でた。すると、颯が、 「ごめんね、俺、今迷惑かけてる?」 と言った。 うん、若干ね。なんて言うほど薄情な女ではないので、 「ううん、全然。」 と、なるべく優しく答えた。でも、さっきまで早く寝たいとか思っていたので、バツが悪くなって無意識に視線を外す。 「ほんと、やさしーね。」 「優しくなんかない。」 「優しいよ。ほんとは今、めんどくさいって思ってるでしょ。」 「、、、そんなこと、」 「はは、ほんと分かりやすいよね。、、、ごめんね?」 あぁもう。こんなに気を使える人を、夜中に家に来ちゃうくらい追い詰めて、何やってんだろ。長い付き合いだし、颯のことはなんでも分かってると思ってた自分を殴りたい。 素直じゃない私の考えてること全部汲み取って動いてくれてた颯に甘えすぎたんだ。 「ごめんね、颯。綾人なんかより颯の方がずっと大事。だから、心配しないで、抱え込まないで?私はどこも行かないから。」 「、、、、ん。分かった。ありがと。」 私は、精一杯の『ごめんね』を込めて颯を抱きしめた。 ー颯sideー 俺を哀しそうに抱きしめて、 「ごめん。颯が思ってる数百倍、私は颯のこと好きだから。愛情表現下手くそなだけで。」 なんて、夜中に押しかけてきためんどくさい彼氏にいう君が、とても愛おしく思えて、俺は、 「俺の方が絶対想像してる数百倍大好きだから。」 って言って君を思いっきり抱きしめた。

みんなの答え

辛口の答え

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おぉ……

一言で言うと、好きです。 視点?の移り変わりも好きです。 二人が幸せになってほしい…… 凄く良かったです!


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