愛しい人
目が覚めると、教室には誰も居なかった。 どうやら私は寝過ごしてしまったらしい。時間割を見ると、今は体育の授業中みたいだ。 急いで体育館に向かおうとしたけど、つい魔が差して悪いことを思い付いてしまった。 足音を立てずにこっそりと廊下を歩く。 すごい。サボりだなんて、いけないことをしているようでワクワクしてしまう。 そんな時、誰かの足音が聞こえ、思わず身を隠してしまった。 「……なにしてんの。」 顔を上げると、そこには隣の席の蓮くんが居た。 「……なんでいるの……っ!?」 「体調が悪いから保健室に行く途中だっただけ。瀬名さんこそなんでいんの? 」 「サボり……です。」 「そう」 「あのっ、誰にも言わないでほしいんだけど……」 「別に言わないよ」 面白がって言いふらしてもおかしくないのに、秘密にしてくれるだなんて良い人だなと思った。 放課後、私は蓮くんに話し掛けた。 「お陰で怒られずに済んだよ……!ありがとう。」 何故か蓮くんは驚いた表情をして、小さい声で呟くように 「 よかった。」 と言った。 「私、もうサボるのはやめておくね。向いてなさそう……。」 私がそう言うと、 「ははっ」 と蓮くんが笑った。蓮くんの笑ったところなんて、初めて見た。なんだろう、かわいいな。 「瀬名さんってちょっとばかだよね。」 私が微笑ましく思っていると、突然失礼なことを言われた。でも不思議と嫌じゃない。 「そ、そういう蓮くんこそ……!」 「俺、ばかな要素あった?」 「ないけど……」 「ははっ、やっぱりばかだ。」 あ、また笑った。かわいい。なんでだろう。 蓮くんはこんなふうに笑う人だっただろうか。私が知らなかっただけで、元々そうだったのかもしれない。 もしかすると、まだまだ私の知らない蓮くんがいるのかも。蓮くんのこと、もっと知りたいな。 「あのさ、一緒に帰らない?」 私と蓮くんは、結局何気ないような会話をしていた。本当は蓮くんのことをもっと知りたかったけど、仕方ない。 「また明日も一緒に帰りたいな……」 口を付いて出てしまった。 「え」 どうしよう、戸惑わせてしまう。早く訂正しないと。 「俺も」 ――へ? 「俺も言おうと思ってた。」 そう言ってまた、蓮くんは笑った。
みんなの答え
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さすがです!
どうも!さくらんぼミックスです!キュンキュンしながら読ませていただきました!続きが凄い気になります!これからも応援してます!頑張ってください!